落葉樹の葉刈り

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雑木類の樹勢は強いので、成長期の間は葉が旺盛に茂って枝も勢いよく伸びてきます。

これらの樹種は小まめな芽摘みや剪定が欠かせませんが、葉刈りも大事な手入れの1つです。

特に葉の込みやすい雑木類は、葉刈りをしないでいるとフトコロ部分への日照や風通しが悪くなり、フトコロ枝が枯れるなど盆栽としての姿を保つことができません。

葉刈りをする樹種

ケヤキやニレケヤキ、モミジ、カエデ、シデ、イボタ、カリン、グミ、ヒメシャラ、クワ、エゴノキ、ツタなど樹勢の比較的強い落葉樹や、一部の実物類で葉刈りや葉すかし、葉切りができます。

落葉樹の中でもイチョウやハゼ、ブナなど、基本的に葉刈りをしないものもあります。

葉刈りといっても、全葉刈り(一般的に葉刈りといいます)の他、葉すかし、葉切りといった風に、樹にかかる負担を考えて残す葉の量や面積を調整します。

ケヤキやカエデなどは葉刈りをしてもよく芽が吹きますが、モミジやヒメシャラ、カリンなどは葉刈りで調子を崩しやすいので、葉すかしや葉切りをしてください。

葉刈りのできるもの

全葉刈りができるもの

カエデ、ケヤキ、シデなどの葉数が多く樹勢の強いもの

葉すかしができるもの

モミジ、カエデなど

葉切りができるもの

モミジ、カエデ、カリン、グミ、ヒメシャラ、エゴなど

部分葉刈りができるもの

ツタ、クワ、一部の山野草

樹木別の葉刈り

葉物類の冬の葉刈り

枝がどうしても込み合う雑木類では、冬の休眠期に入る落葉前にすべての葉を切り取る作業があります。

自然に落葉してから枝を抜くと、この時期の樹は冬超えに備えて体内に水分をたくさんため込んでいるので、ほとんどの樹種は癒合剤を塗っても樹液が止まらなくなって枯れこんでしまいます。

そこで自然落葉する前に強制的に葉を取り、輪郭をきれいにする切込みや、来年の芽数・枝数の調整、針金による微調整を行います。

裸樹にすることによって一年の総決算として自分の手入れの成果を確認することができ、来年の枝作りに繋げることが出来ます。

冬に葉刈りをする樹種

ケヤキ、ニレケヤキ、モミジ、カエデ、イワシデ、イボタ、カリン、グミ、エゴノキなど樹勢の比較的強いほとんどの雑木類に対して、冬の葉刈りをすることができます。

冬の葉刈りの適期

休眠期前の葉刈りは、全国的にみてもおおむね11月下旬~12月中旬までの間のムロ入れの前に済ませておいてください。

ムロ入れまでに葉刈りが間に合わず、自然落葉してしまった場合は出来るだけ強い剪定を避け、翌年の芽出し前まで待ってください。

冬の葉刈りの仕方

盆栽の大きさにもよりますが、葉刈りは時間のかかる作業です。

葉の基部には翌年芽がついているため、無理に手でむしり取ろうとすると幹枝を傷つけてしまう可能性があるので面倒でも1枚1枚丁寧にハサミで葉を切り取るように心がけてください。

ニレケヤキの葉刈り

1枚1枚ハサミで切り取ります

全ての葉を落とした裸樹の状態は、枝の状態が確認できやすくなりますから、枯れ枝やまっすぐ伸びた枝、下向き枝、内向き枝などの忌枝を剪定します。

剪定は樹の輪郭を意識しながら行うことが大切です。

三又以上の枝の分岐点では、動きのある枝や向きのいい枝を残し、できるだけ二又となるようしましょう。

ただ、あまり太い枝の剪定はこの時期には向きません。針金かけも軽く枝向きの微調整をするくらいの気持ちでいてください。

剪定した枝に切口に保護材や癒合剤を塗ることも忘れてはいけません。

冬の葉刈り後の管理

葉刈りした後の木は、葉の面積がないので水分の消費量や光合成が極端に少なくなります。

さらに根雪を控えたこの時期は、植物は休眠の準備を始めていて生体活性量はさらに低くなります。

休眠前の葉刈りを済ませた樹は、灌水量を控えることはもちろんですが、その後の寒さ対策もしっかりやってあげてください。

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