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葉物類の葉刈り

雑木類の樹勢は強いので、成長期の間は葉が旺盛に茂って枝も勢いよく伸びてきます。

ですから樹形を乱さないための芽摘みや剪定、紅葉を美しくするための葉刈りを行います。

葉刈りをする樹種

ケヤキ、ニレケヤキ、モミジ、カエデ、イワシデ、イボタ、カリン、グミ、エゴノキなど樹勢の比較的強い葉物類で葉刈りをすることができます。

葉物類の中でもイチョウやハゼ、ブナなど、基本的に葉刈りをしないものもあります。

樹木別の葉刈り

ケヤキの葉刈り

ケヤキは葉柄が極端に短いですから、無理に葉の基部まで取らずに葉を少し残して切り取ります。

この作業を一枚一枚丁寧に行うことが理想ですが、葉が細かくたくさんついていますので、大変でどうしても時間がかかってしまいます。

熟練した人でも中程度の大きさのケヤキの葉刈りでも3時間以上かかってしまうくらいです。

葉こぎ

そこで、ハサミを使わずに手で葉を取る葉こぎという方法があります。

これは枝を長く伸ばし気味にする箒作りのケヤキや若木に効果が高いのでよく行われます。

具体的には、1枝を軽く持ってあまり力を入れないで上方にこぎあげます。

こうすると葉は枝から簡単に取れますし、頂芽の部分は芽摘みと同じ要領で処理できます。

ただし、あまり強い力ですと腋芽を痛めることになるので気をつけてください。

カエデの葉刈り

カエデやモミジは基本的に全面葉刈りを行い、樹全体の葉を一枚一枚丁寧に、葉柄の中程でハサミで切り取ります。残された葉柄は、腋芽が活動を始めるとともに自然に落ちます。

カエデなどの葉狩り

しかし、全体の葉の大きさのバランスを見て、大きすぎる葉だけを部分的に切る方法もあります。

この場合は葉を半分~1/3くらい残して切り取ります。

モミジの葉刈り

モミジの葉刈りの仕方はカエデとほとんど同じです。

ただ、モミジはカエデより弱い性質があるので葉刈りの時期には気をつけないといけません。

若木の場合は他の樹種と同じ時期でもいいですが、老樹なら少し早めに葉刈りを済ませておくほうが安全です。

具体的には葉が開ききって黒光りする5月中旬~下旬頃がよく、最も元気のある時期に行います。

弱い枝に葉刈りをしたり老樹に遅く葉刈りをすると、腋芽が伸びずに翌年の春まで葉を出せず木が弱ってしまいますので気をつけてください。

ニレの葉刈り

ニレはケヤキの仲間で、その葉はケヤキと同じように葉柄が極端に短いですが、ケヤキに比べて小葉なのでそれほど葉刈りする必要はないようです。

それでも葉刈りをする場合は、全面葉刈りか部分葉刈りをすることになりますが、葉こぎよりもできれば面倒がらずに一枚一枚丁寧にハサミで切り取ってください。

切り方は無理に葉の基部で切ろうとせず、葉を少し残して切り取ります。

そうすることで腋芽を痛めることもなくなりますし、切り残した葉も腋芽の活動とともに葉柄ごと自然に落ちます。

ケヤキなどの葉狩り

ソロの葉刈り

ソロはあまり葉刈りをしませんが、6月~7月頃になって全体を見た時に、調和を乱すような大きな葉に対して部分葉刈りをします。

また、葉が焼けてしまってそのままでは秋の紅葉を楽しむことが期待できない時には全体葉刈りを行うこともあります。

ソロも葉柄はそれほど長くありませんから、葉の基部を少し残すつもりで葉を切ります。

全体葉刈りをするならば、全部を取らずに、葉を半分くらい残して切るようにするとよいでしょう。

 

ヒメシャラの葉刈り

 
ヒメシャラの葉
 

ヒメシャラは樹勢が強い樹種なので、葉刈りで樹勢をコントロールするのは芽摘みと同様に大切な作業になります。

 

ヒメシャラの葉刈りは4月の芽出しから8月頃までに2~3回行うことができます。

 

特に樹勢のよい木では3回くらい芽摘みを行うことができますが、あまり葉刈りを繰り返すと反って樹勢を落とす可能性もあるので2回に止めておいたほうが良さそうです。

 

ヒメシャラの葉柄はモミジのようにそう長くはありません。葉の元を少し残してハサミで切っていくようにしてください。

 

残った葉は腋芽が伸びてくると同時に自然に取れます。

 

またケヤキで行うような葉こぎを行うと腋芽を傷つけてしまいます。面倒でも一枚一枚丁寧に葉刈りをしてください。

クワの葉刈り

クワの葉刈りは他の樹種と同じように、樹勢の付いたものに対して行います。

時期は6月~7月頃で、大きすぎる葉だけに対してハサミで部分葉刈りをしたり、樹勢の特に強いものは全面葉刈りを行うこともあります。

ツタ類の葉刈り

ツタの葉刈り

ツタは葉刈りすることによって、次に出てきた新芽が秋に美しく紅葉します。

葉刈りの適期は、新芽の伸びがいったん落ち着いた7月に入ってからです。

蔓(つる)になって伸びてきた芽に付いた葉を葉柄からハサミで切ります。

葉物類の冬の葉刈り

枝がどうしても込み合う雑木類では、冬の休眠期に入る落葉前にすべての葉を切り取る作業があります。

自然に落葉してから枝を抜くと、この時期の樹は冬超えに備えて体内に水分をたくさんため込んでいるので、ほとんどの樹種は癒合剤を塗っても樹液が止まらなくなって枯れこんでしまいます。

そこで自然落葉する前に強制的に葉を取り、輪郭をきれいにする切込みや、来年の芽数・枝数の調整、針金による微調整を行います。

裸樹にすることによって一年の総決算として自分の手入れの成果を確認することができ、来年の枝作りに繋げることが出来ます。

冬に葉刈りをする樹種

ケヤキ、ニレケヤキ、モミジ、カエデ、イワシデ、イボタ、カリン、グミ、エゴノキなど樹勢の比較的強いほとんどの雑木類に対して、冬の葉刈りをすることができます。

冬の葉刈りの適期

休眠期前の葉刈りは、全国的にみてもおおむね11月下旬~12月中旬までの間のムロ入れの前に済ませておいてください。

ムロ入れまでに葉刈りが間に合わず、自然落葉してしまった場合は出来るだけ強い剪定を避け、翌年の芽出し前まで待ってください。

ムロ入れの時期は、太平洋側と日本海側でもかなり違ってきますし、樹の耐寒性でも異なります(管理の基本>>盆栽の夏と冬の管理)。

ほとんどの盆栽は、自然樹と違って生育環境が限られているため水分量や気温変化に影響を受けやすいです。

特に冬季は根が凍ってしまうなど予期せぬ寒害にあうので、特に小さな盆栽や柑橘類などの寒さに弱い樹は早めにムロ入れしてください。

冬の葉刈りの仕方

盆栽の大きさにもよりますが、葉刈りは時間のかかる作業です。

葉の基部には翌年芽がついているため、無理に手でむしり取ろうとすると幹枝を傷つけてしまう可能性があるので面倒でも1枚1枚丁寧にハサミで葉を切り取るように心がけてください。

ニレケヤキの葉刈り

1枚1枚ハサミで切り取ります

全ての葉を落とした裸樹の状態は、枝の状態が確認できやすくなりますから、枯れ枝やまっすぐ伸びた枝、下向き枝、内向き枝などの忌枝を剪定します。

剪定は樹の輪郭を意識しながら行うことが大切です。

三又以上の枝の分岐点では、動きのある枝や向きのいい枝を残し、できるだけ二又となるようしましょう。

ただ、あまり太い枝の剪定はこの時期には向きません。針金かけも軽く枝向きの微調整をするくらいの気持ちでいてください。

剪定した枝に切口に保護材や癒合剤を塗ることも忘れてはいけません。

カエデの葉刈り

裸樹にすると剪定・整枝しやすくなります

冬の葉刈り後の管理

葉刈りした後の木は、葉の面積がないので水分の消費量や光合成が極端に少なくなります。

さらに根雪を控えたこの時期は、植物は休眠の準備を始めていて生体活性量はさらに低くなります。

休眠前の葉刈りを済ませた樹は、灌水量を控えることはもちろんですが、その後の寒さ対策もしっかりやってあげてください。

冬の葉刈り後の管理のポイント
 
  1. 軽い切り戻し剪定や針金かけをして樹形を整える
  2. 水は控えめにし、乾いたら灌水するなど過湿にならないようにする
  3. ムロ入れをする

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東京都世田谷区在住の盆栽趣味者。
自宅ルーフバルコニーで小さい盆栽や草を弄っています。
初代愛猫『アロ』は天国へ行ってしまいましたが、現在は2代目ネコ2匹を迎えて盆栽ライフを楽しんでいます。

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