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葉刈り【ha-gari】

葉切り

葉刈りとは文字通り、葉を取ってしまうことをいいます。

植物にとって葉は成長には欠かせない大切なもので、葉がなくては彼らは生きてはいけません。

せっかくの大事な葉をどうして取ってしまうのでしょうか。

葉刈りの目的

盆栽は自然樹を縮小した姿を現したものですので、樹高に合わせて枝や葉も小さくなければ全体の調和がとれなくなってしまいます。

葉刈りによって植物にとって必要な葉を取り去ると、芽摘みと同じ原理で植物は新しい葉を作るために活動を始めます。

結果的には腋芽(わきめ)が刺激され、新しい小枝の発生を促し、そこにつく葉もより小さく作ることができます。

このように葉刈りは、枝先を細かくしたり葉を小さくするのに有効ですが、葉刈りはしなければいけない作業ではありません。

特に樹勢の弱い樹種に対して、全ての葉を取ってしまうと反って弱らせ病害虫の被害に遭うことがあります。

ただ、植物が元気な時、つまり水分や栄養が多いときには葉は大きくなっていきますから、葉刈りをして作り直す必要も出てきます。

しかし樹形を細かく葉を小さくする効果は、灌水や施肥、植え替え、用土などを管理することで十分に期待できます。

これらの作業を適切に行うことで葉刈りをしなくてもいいのなら、それに越したことはないと思います。

葉刈りの効果

葉刈りを行うことによって、枝を細かくし葉を小さく作ることができるというのはわかりました。

しかし葉刈りで期待できる効果はそれだけではありません。

葉刈りには、葉の組織を若返らせ紅葉を美しくする効果もあります。

古い葉は、組織が硬くなり温度変化に鈍感になっているので、紅葉しにくくなっています。そこで葉刈りをして新しい葉を作らせることにより、

温度に敏感に反応させ綺麗な紅葉を促します。

他にも、強い枝の葉を取ることで、その枝の力を抑えて弱い枝を充実させることも期待できます。

葉刈りの利点
  1. 小枝の発生を促すことができる
  2. 次の葉を小さく作り、盆栽の大きさと枝葉が調和する
  3. 植物の生長を早め、鑑賞価値があがる
  4. 葉の組織を若返らせ、紅葉が綺麗になる
  5. 徒長枝などの異常な成長を抑える
  6. 全体の樹勢を調整できる

これらの目的・効果とは別に、特に雑木・葉物類に対して冬の休眠期前に葉刈りを行う習慣があります(葉物類の葉刈り)。

葉刈りの時期

葉を切り取られたものが次の芽を伸ばして葉を開くまでの期間を逆算しますと、葉刈りは新芽が伸びて葉が固まったら行います。

若木の場合は5月末~6月末頃までの梅雨時期が適期です。

梅雨の時期は気温と湿度が高いですから、植物は旺盛に成長します。

葉刈りは植物にとって大事件で、回復には大変な体力を使いますので、この時期を利用するのが適当なのです。

若木は回復力も早いので、全部の枝の葉刈りを行っても構いません。

古い樹も新しい葉が固まったら行いますが、外回りの大きくなってしまった葉だけに行う方がいいでしょう。

特に紅葉を楽しむためには、紅葉の時期までに葉を充分に育て、かつ組織が柔らかい状態に保っておく必要があるので、葉刈りの時期はよく考えておかないといけません。

葉刈りの仕方

全面葉刈り

葉が大きくなって盆栽との調和がとれなくなってしまった時に、全部の葉を切り取るとこによって葉柄の基部にある腋芽の活動を刺激して子葉をださせる方法です。

全面葉刈りが出来るものは、肥培管理のしっかり出来ているカエデ、ケヤキ、ニレ、ソロ、シデ類などの雑木類です。モミジはカエデよりも弱い性質があるので、あまり全面葉刈りはお勧めできません。

腋芽は伸びる力は弱いですから、腋芽からでる葉も小さくなるのです。これを全面葉刈りといいます。

全面葉刈りは大手術です。植物にとっては異常事態ですから、事前の肥培管理は欠かせません。

全面葉刈り

部分葉刈り

盆栽を全体的に観察していると、弱い枝の葉は小さく、強い枝についている葉は大きくなっていることに気が付きます。

これは盆栽としての調和を乱しますし、鑑賞上見苦しいものですから大きな葉だけを切って葉を揃えます。

この、大きな葉だけを切り取ることを全面葉刈りに対して部分葉刈りといって、残った葉柄の基部に待機している腋芽から小さい葉を作ることができます。

部分葉刈り

片葉刈り

片葉刈り葉すかしともいい、枝先に2枚展開した葉の片方を切り取ることをいいます。

片葉刈りは基本的に全ての枝に対して行う作業で、葉量の多いモミジやカエデなどの樹種が対象です。

片葉刈りをすることで葉量が半分になるので枝が太くなるのを防ぎ、また樹の内部まで光や新鮮な空気が通ってふところ枝が活性化します。

時期は新葉の組織が固まった頃の4月中旬~5月中旬頃が適期です。

樹のサイズにより異なりますが、大きな盆栽では片葉刈りをしても日照や風通しが悪いままなことがあるので、5月頃に葉切りを行って残す葉量を調節してください。

葉切り

葉の一部分を鋏で切り取ることを葉切りといい、樹勢の弱いモミジの手入れ法の1つとして行われています。

葉刈りは効果が大きい反面、樹に負担をかけますが、葉切りは比較的デメリットが少なく高い効果が期待できます。

切り方は出来るだけ葉脈を寸断しないように縦に半切りにしたり、3/4残したりと、葉量や樹勢によって自由に調節できます。

時期は5月頃で、葉すかし(片葉刈り)後まだ葉量が多い場合などは葉切りができます。

ただし全ての葉に行うのではなく、頂部や外側の大きめの葉に対して行ってください。

葉切りすることで樹の内部まで光や新鮮な風が入り、ふところの小枝の活性化や胴吹き芽を呼ぶことができます。

人為的に残す葉の量を調節することで、樹勢を整えて各枝の生育を良くし、ふところ枝の活性化を図ることを目的としたものが葉刈りや葉切りです。

残す葉の量によって全面葉刈り、部分葉刈り、片葉刈り、葉切りなどと呼び名がありますが、樹の状態をよく観察してどのくらいの葉を残すべきかを考えて行ってください。

葉刈り前後の管理

葉刈り前の管理

大手術前には体力を付けておくこと!

全面葉刈りの時は特に、葉刈りする前に植物が充分に力のある状態でないといけません。

見た目から弱っているものや、鉢土がいつも湿っているものは根が弱っていますので葉刈りしてはいけません。

そんな盆栽をお持ちでしたら、その年の葉刈りは断念してまずは樹勢を戻してやることを第一にしてください。

樹勢がよければ葉刈り後の回復力も強いので、次の芽が早く活動し、葉も早く揃ってくれます。

そこで、葉刈りをする前に薄い液体肥料(水肥)を与えてやることが必要になります。

葉刈りの1ヶ月くらい前から追肥してやればいいでしょう。

また、事前に充分に日に当てて光合成を行わせてください。日陰に置いていると葉刈り後の芽の活動が悪くなってしまいます。

灌水も葉やけを起こさないように充分に与えておきます。

葉刈り前の管理のポイント
  1. 葉刈りの1ヶ月前から充分に肥培をし樹に力を付けておく。
  2. 葉刈りができる樹種は樹勢が強いいくつかの種類(落葉樹と一部のマツ類)。
  3. 葉刈りの時期は新芽が固まってから。
  4. 葉刈り前は日照をよくし、灌水も充分に行う。

葉刈り後の管理

葉刈りした後の木は、葉の面積がないので水分の消費量や光合成が極端に少なくなります。

この状態で灌水を今まで通り行っていては、過湿状態に陥って、用土中の温度の低下や酸素不足を引き起こし、根腐れを起こしてしまいます。

葉刈り後は、灌水や日差しなどをコントロールして樹勢を守りながら、早く次の芽を出させるように管理することになります。

目立ちをよくするためには、霧水を枝に吹きかけるとよいといわれています。

葉刈り後の管理のポイント
  1. 切り戻し剪定や針金かけをして樹形を整える
  2. 直射日光に当てずに、ヨシズや寒冷紗で保護する(葉が開き始めてから徐々に日に慣す)
  3. 枝や幹に霧水を1日2~3回与え、芽立ちを助ける
  4. 灌水は控えめにし、乾いたら灌水するようにして過湿にならないようにする
  5. 早く発芽して大きくなる葉があれば、芽摘みや部分葉刈りをして側枝を出させる

葉刈りの実際

まず、葉刈りは植物に大きな負担をかける作業ですので、葉刈りが出来る植物は樹勢が強いいくつかの樹種に限られています。

松柏類の葉刈り

葉物類の葉刈り

コメント

楓と桜の樹の下で さん 2016年06月27日17時56分
キミさん、初めまして!
ミニ盆栽初心者です。ミニの桜とモミジを買って(盆栽妙です)、調子のってコウチワカエデの苗を買いました。が、葉が来たなかったので葉の全刈りをやってみたのですが、どこから生えてくるんでしょう^_^;?

いきなりで不躾な質問で申し訳ないですが、もしよろしければ教えて頂きたいとコメントさせて頂きました。

宜しくお願い致します。
きみ さん 2016年06月27日20時11分
楓と桜の樹の下でさん
こんばんは!
コウチワカエデいいですね~!わたしもほしいです!種しか持ってません
心配しなくても元気ならそのうち出てきますよ、出てくるところは切った葉の柄の基部から...かな
葉水をすると早く出てくる気がします。
楓と桜の樹の下で さん 2016年07月02日13時10分
キミさん、こんにちは!
返信に気付かず遅くなりました。申し訳ありません!

ありがとうございます!
枝が落ちて下からなんとなく葉が出て来ました。
成る程…って感じです^ ^。

しばらく様子を見てみます!
ご助言ありがとうございましたm(__)m。

またわからない事があればお聞きしたいので、
その時は宜しくお願い致します!
京都手習い さん 2016年12月31日00時31分
はじめまして、京都手習い51歳男初心者です。家に今年の夏山採りした樹高30㎝程の紅葉があるのですが、この紅葉、採取してまもなく葉が枯れ落ちたのですが、まもなく葉が再生しました。が、12月末現在その葉は落ちていません。苅ってしまって大丈夫でしょうか?
きみ さん 2017年01月01日14時20分
京都手習いさん
コメントありがとうございます&明けましておめでとうございます。
いいか悪いか、ハッキリいえないですけどサイズもあるので葉刈りしても枯れることはないと思います。
山取りした時に根を切ったから落葉したのでしょうが、そのあと葉が出たということなので大丈夫でしょうね
環境が変わってしまってるので、弱っている感じならそのままの方がいいかもしれません。
葉刈りした場合芽出しが遅れるかもしれないですが、ちゃんと芽吹くと思います。
でも剪定は強くしないでください~。
朝田浩です さん 2017年04月10日00時35分
こんばんは。今年、やまもみじを(5年くらいの実生)を春に植え替えしまして、今勢い良く枝葉が伸びてきています。葉がとても大きいので、掲載されている記事を参考に葉刈しようとおもいます。丁寧な解説、助かります。ありがとうございます。
種を播いて育てると、葉の大小、繊細さに違いがありとても面白いですね。
きみ さん 2017年04月10日08時27分
朝田さん
5年生ならこれからも楽しみですね~
もうちょっと持ち込めばさらに幹味出てきて...いいですね。
山もみじ私も沢山もってますけど、新芽の展開する今の時期見取れてしまいます...

東京都世田谷区在住の盆栽趣味者。
自宅ルーフバルコニーで小さい盆栽や草を弄っています。
初代愛猫『アロ』は天国へ行ってしまいましたが、現在は2代目ネコ2匹を迎えて盆栽ライフを楽しんでいます。

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