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トショウ(杜松)の魅力

トショウはヒノキ科ビャクシン属の常緑針葉高木。

トショウという名前は図鑑にはなく、盆栽ではハイネズやネズと言われるネズミサシの総称として呼ばれています。

日本の他、朝鮮半島や中国に自生していますが、産地によって適した環境が異なるため、慣れるまで培養には多少気を遣うところがあります。

山地や痩せた土地に自生し、葉先がとがっていて触ると痛いのが特徴です。

立性と這性があり、立ちネズ、這いネズと呼ばれます。

葉性も多様で、長く鋭いもの(ネズ)や、ややすぼまったもの(ハイネズや八房性)、丸い葉性(紫トショウ、白トショウ、ミヤマネズなど)があり、それらの中間種も数多くあります。

触ると痛いネズも趣がありよいですが、あまり痛くないハイネズや八房性は手入れがしやすく人気の品種で種木も多く出回っています。

太幹で様々な樹形に作ることができ、丈夫でシャリやジンを入れることもできます。

盆栽ではいろいろな樹形に仕立てることができますが、樹芯が固い性質ですのでシャリ幹やサバ幹のような幹の一部が枯れて朽ちたような処理をしますと、古さや悲壮感がでます。

トショウは比較的寒さに弱い樹種です。冬の間は保護が必要なのはもちろんですが、植え替えも5月に入ってから行ってください。

芽摘みはスギ同様なんども芽を出しますが、秋の早いうちに終わらせておくのがいいです。

トショウの特徴

トショウの葉

トショウの葉

トショウの葉

トショウの葉は先が尖っていて触ると痛いのが特徴です。

この固い針葉をネズミの通り道に置いてネズミ除けに使っていたことから、ネズミサシやネズの別名が付いています。

産地によって葉の固さに違いがあり、変種のオオシマハイネズなどは葉が柔らかく草のような感じです。

トショウの新芽

トショウの葉

トショウの新芽(先端)

トショウは松柏類の中でも特に樹勢が強く、4月~10月くらいまではどんどん芽が伸びてきます。

面倒がらず芽摘みを繰り返すことによってトゲトゲした葉も次第に柔らかみを持ち細かい枝葉になります。

トショウは樹勢がのっていれば、不定芽や胴吹き芽も出やすい樹種です。

枝数を増やすための芽摘みは、新芽を少し伸ばし気味にしてから摘むと、腋芽が吹いて枝数が増えてきます。

不要な芽は早めに取りますが、ふところに芽がでるとさらに追い込みが可能で、樹高を低く締ったものに作り替えることができます。

ただし寒さには弱いので、秋の芽摘みは早めに終わらせておいた方がいいでしょう。

トショウの幹・枝

トショウの幹枝は古くなるのが早いうえに樹芯が硬いため、シンパクのようにシャリ幹やサバ幹といった幹や枝の枯れた部分を作って、木の古さや悲壮感を表現されます。

立ち性のトショウ(立ちネズ)は太幹の大物盆栽によく仕立てられています。

一方、葉が比較的柔らかく扱いやすい這い性のトショウ(這いネズ)は、樹高を低く作ることができるので小品盆栽向けによいです。

トショウの繁殖法

トショウの種木は挿木でよく作ることができます。

挿木したものは数年そのまま培養して枝を走らせて置くことで、早く幹が太ります。

挿し穂が柔らかいうちに針金などで曲げ付けておけば、幹模様のいい種木になります。

取木もできるので、幹模様や枝配りがよければすぐに樹形の出来上がった素材ができます。

トショウの主な樹形

トショウは枝が若いうちなら針金による整枝もできますから、いろいろな樹形に仕立てることができます。

また肥培管理が良ければ脇芽もよく吹きますので、追い込み剪定によって樹高が低く細かい枝組みの盆栽を作ることができます。

代表的な樹形は直幹や斜幹、模様木、懸崖、石付きのほか、文人にしても面白いものができます。

樹勢が強くすぐに枝や葉が混み合うので、こまめな芽摘みや剪定をしなければいけませんが、不要な枝でも元から切り取るのではなく、樹皮を剥いでジンにするなどの工夫をするといいです。

トショウの日頃の管理

置き場所

1年中日当たりと風通しのいい場所に置きます。

寒さには弱いので冬の間は保護が必要です。

用土

排水性のよい用土を好みます。

赤玉土3~5割に、桐生砂を混合したものがいいでしょう。

灌水

水を好みますから、水を多めに与えるようにします。

春は1日1~2回、夏場は1日2~3回、冬は2~3日に1回を目安としてください。

真夏は朝夕の葉水を与えると効果的です。

肥料

トショウは肥料も好みます。

肥培管理が出来ていれば脇芽もよく吹いてきますから、肥料はしっかり効かせましょう。

梅雨と真夏を除く4月~10月の間に油かすなどの固形肥料を多めに与えます。

病気・害虫

樹勢が弱っているものは葉にハダニや、幹にテッポウムシが付くことがあります。

コメント

夏音 さん 2016年05月05日11時42分
はじめまして。
いつもたいへん参考にさせていただいています。

お忙しいところ申し訳ございませんが、お教え頂きたいのです。

実は先日、トショウを購入しました。
とても小さな素材です。

ところがトショウには、立ち性と這い性があって、性質や管理が違うとのこと・・・・
そうです、自分の所に来たトショウが、どちらの性かわからないのです。

今は直幹状にまっすぐの挿し木素材なので、更にわかりません。

見分け方などあるのでしょうか?
きみ さん 2016年05月05日13時08分
夏音さん
はじめまして、確かにトショウはネズとハイネズがありますね。大きな盆栽には立ち性のネズ、小さいのにはハイネズが向いています。
たぶん、それはハイネズのほうじゃないでしょうか..
普通ハイネズはネズより葉に丸味があるというか肉厚な感じがします。触ってのそれほど痛くないです。立ち性の方が枝が硬く痛い。
立ち性這い性だから全然管理方法が違うということはないのですが、ベテランの間でも「突然枯れる」と言われるトショウ。ポイントは自生地の環境を考えることです
関東以北の涼しいところなら、その環境を考えて置き場を工夫します(でも、普通売っているトショウは『トショウ』としか書いてないので分らないんですよね...)
小さいということですし直射日光の当たらない明るくて風通しのいい場所において、水と肥料が結構すきなのでしっかり与えて下さいね。
挿木して根がしっかり伸びているなら肥料与えていいです。
根が張ってないうちはたくさん肥料はいりません、うすい液肥からで十分です
夏音 さん 2016年05月06日15時23分
きみさん、ありがとうございます。
とても参考になりました。
様子を見ながら、育ててみます。
オカメ さん 2016年09月01日12時17分
初めまして。
最近盆栽に興味を持った初心者です。
トショウの挿し木についてお聞きしたいのですが、
祖父が好きで育てていた木がたぶんトショウで、我が家でも育てたいと思い、挿し木で…と思ったのですが、挿し木に関して知識が無く、とりあえず剪定した小枝(新芽に近い部分)を持ち帰って挿してみています。
一応2ヶ月程経過しても枯れていないのは、まだ生きているという事でよいかと思うのですが、発根したかどうかはどの程度で確認できるものでしょうか??
挿したものを土から出して見たりしたら死んでしまうんじゃないかと不安です。見てもいいものですか??
発根の目安など教えていただきたいです。
きみ さん 2016年09月02日19時09分
オカメさん
こんばんは~。トショウは今時期でも炎天水挿しできるくらいなので発根は比較的簡単だと思っています(適期は8月)。
ただその時期というかタイミングですが、今の状態は単に切り口から水を吸っていて緑が生きているだけだと思うので、掘り起こしても根は出ていないかと。基本的には来春新芽が伸びてきたら確実かと思います。小枝なら挿してしばらく走らせると思うので、芽が伸びてきたら根を傷付けないように駄鉢に移して養生させるか、挿したまま2~3年そのままにしていたらいいと思います。
オカメ さん 2016年09月04日21時29分
きみさん、ありがとうございます!
トショウって水挿しもできるんですか!知りませんでした^^;
このまま生き続けるか不安でもあるので、次回祖父宅へ行ったら、もう一枝もらって水挿しも試してみたいと思います。
今挿しているものは、とりあえず現状維持で様子見てみます。

あと、ふとトショウの事で思い出したのでもう一点お聞きしたいのですが、トショウに立ち性と這い性があるのをこちらで初めて知りました。
今祖父宅に残っているのはまだ樹高5~60㎝ほどで、葉はチクチクしますが、這うまではいかないけど…上に向かってるのかしら??という、曖昧な感じです。(ちなみに祖父が大事にしていたトショウは、松のように立派なものだったのですが、亡くなる前に本人が切ってしまってます)
できれば私も祖父がやっていたような模様木に挑戦したいのですが、立ち性ではやはり大物盆栽じゃないと難しいでしょうか?逆に、這い性だった場合、這い性のトショウでも模様木は可能なのでしょうか??
トショウ、ネズの盆栽の情報ってあまり探せず参考に出来るものがなくて(^_^;)
再び質問してしまってスミマセン。
きみ さん 2016年09月04日22時09分
オカメさん
『炎天水挿し法』というのはトショウにできる方法ですが、実際は水挿しするわけでなく挿し床に腰水をして直射日光下で管理します(実際はやはり遮光したほうがいいと思われます)。

這性でも芯をしっかり立てればある程度好きな樹高に作ることもできると思います。
ただ立性の性質を無視して無理に下げたり、這性の枝をいくら立てても徒労に終わると思うので、お持ちの素材の特性をよく観察して合った樹形作りをしたほうが元気に育つのではと思います。
オカメ さん 2016年09月19日15時15分
お返事大変遅くなってしまいましたが、再度回答ありがとうございます!!

あれから、さっそく何枝か頂戴してきて挿してみてます。
水挿し法と名前にあれど、実際に水に挿すわけではないんですねぇ^^;無知で恥ずかしいです^^;

枝をもらう際、やはり松のように痛かったので、立ち性のものと思われます。
まずは発根・発芽がうまくいく事を祈り、樹形はその後にすることにします。

何度もありがとうございました!!
ヤマザキ さん 2017年12月11日17時51分
幹に、テッポウムシが、入れば見てわかりますか。 入れば、消毒わ何を使ったらいいですか。
きみ さん 2017年12月14日11時25分
ヤマザキさん
虫がいそうなんですか?
幹に小さい穴が空いていて、周りに排泄物が見えると思います。
樹皮でよくわからないときは、怪しいところだけナイフなどで少し削ると分かりやすいです。

http://bonsai.shinto-kimiko.com/kanri/byougaicyu/bonsai_gaicyu.htm
こちらを参考にしてみてください。

宜しくお願いします。

東京都世田谷区在住の盆栽趣味者。
自宅ルーフバルコニーで小さい盆栽や草を弄っています。
初代愛猫『アロ』は天国へ行ってしまいましたが、現在は2代目ネコ2匹を迎えて盆栽ライフを楽しんでいます。

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