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盆栽の表と裏

国風盆栽展

国風盆栽展の会場(東京上野)

盆栽は昔は床の間などに飾られることが主流だったために、一方向から観賞されることが通常でした。

さらに正しくは座って観賞するものですから、目の高さなども考慮にいれ正面がはっきり決められていました。

現在では盆栽を四方八方から眺めることが出来るような席に置いて観賞される場合も多くなり、表や裏がはっきりしない盆栽も多く見られます。

盆栽樹形には絶対にこれがいいという決まりがあってはつまらないような気がしますが、盆栽に表と裏の役割を持たせることは奥行きや空間を演出し、盆栽の魅力を最大限に発揮させることができると思います。

盆栽の表と裏とは?

自生している樹を観察していると、その樹をぐるりと観察した時に姿が一番美しく感じられるポイントがあると思います。

これを盆栽に取り入れたときに、最も美しく見える面を表とし、その反対側を裏としたのです。

表からは立ち上がりや幹模様、枝振りなどを観賞する部分がよく見え、幹と枝との調和などその盆栽の持つ美しさを最大に発揮できるように作られます。

裏側は盆栽に奥行きを持たせるように枝を多めに付けるなどの工夫が施されます。

表と裏を決めよう

素材を選ぶ時や樹形作りをはじめる時にまず最初にすることが正面(表)を決めることです。

完成された盆栽の正面は整った形をしています。

それは、表と裏の役割がきちんと機能していて全体的な調和が取られているからです。

しかし成長を続ける植物が相手ですから、一度盆栽の表裏を決めても年月が立つにつれて次第に形も変化しますし、その時は見る角度や樹形も変えなければいけなくなるかもしれません。

樹形の維持のための剪定はもちろんですが、樹の状態をよく観察してその植物が一番美しく見える場所を柔軟に決めてやることが大事です。

最も美しく見えるポイントを見つける

盆栽の持っている最も美しいところが表になります。

ほとんど完成された盆栽の場合だと表裏ははっきりとわかりますが、自分で仕立てる場合は以下のような条件を踏まえて盆栽の正面となるポイントを決めましょう。

表を決める条件

  1. 根張りが前・左右によく張っている。
  2. 幹の曲がりが全体的にやや前方に曲がっている(腹といってこの面が表です)。
  3. 根張りや立ち上がり、樹皮が見え隠れするように枝が出ている。

仕立てる上での注意点

  1. 前枝をあまり低い高さに配置しない(全体の1/3の高さ)。
  2. 枝が幹をあまり横切らない(樹芯がよく見える)ように形を整える。
  3. 奥行きが出るように、裏に枝を多く付ける。
  4. 樹全体が心持ち前方に曲がる、あるいは傾いているように植え付ける。

植える位置を考える

自然の景観を表そうとする盆栽の場合、鉢の真ん中に植物を植えるだけでは面白みがありません。

植える位置は殆どの場合、真ん中よりすこし左右に寄せたり前を広く取って奥行きを出して、露出する根張りがよく観えるように工夫されています。

寄せ植えでも樹と樹の間隔を工夫して奥行きや強弱を出すことが大事なのです。

また水石やコケ、草を配置することによってより一層自然味を演出することができます。

しかし、前にも書いたように一度正面を決めた部分がずっと正面であるとは限りません。

植え替えの度に最もよいと思う面を見せるように少し向きを変えて配置するようにしましょう。

盆栽に威圧感を持たせるための傾き

横から見たカエデの盆栽(左が表)
第90回国風盆栽展

盆栽を真横から眺めてみると、樹全体または幹がやや前方に傾いています。

盆栽が前方に傾いているために、盆栽が頭から覆いかぶさるように迫ってくるような威圧感や、こんもり茂った梢が盆栽の大きさを強調します。

これは、盆栽を鑑賞するときに、目の高さを根張りから立ち上がりの部分に合わせるとよく分かります。

このような姿になるように、針金で姿を整えて樹芯が見えるように整枝したり、心持ち前方に倒れ気味に植えてあるのです。

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東京都世田谷区在住の盆栽趣味者。
自宅ルーフバルコニーで小さい盆栽や草を弄っています。
初代愛猫『アロ』は天国へ行ってしまいましたが、現在は2代目ネコ2匹を迎えて盆栽ライフを楽しんでいます。

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