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盆栽を育てる場所

みなさんが盆栽を置いて育てている場所は、どんなところでしょうか?

お庭のあるご家なら好きな場所に盆栽棚を置き、そこに盆栽を並べていると思います。

お庭のないマンションやアパートなら、ベランダやバルコニーで育てることになりますが、盆栽のために確保出来るスペースは限られますし、風通しや日照条件は物件により違います。

それぞれ条件は異なりますが、綺麗に整頓され合理的な盆栽棚を工夫すれば、わずかなスペースでも驚くほどの銘品を作出される愛好家もたくさんいます。

限られた条件の中で、常により良い棚場環境に改善できるように心がける姿勢を持っておくことが大切です。

盆栽置き場の条件

日当たりがいいこと

光は植物が育つのに必要不可欠です。

特に盆栽はそのほとんどの樹種が好光性の植物なので、一日中太陽の光があたる場所が好ましいのですが、日当たりがよくない場所でもせめて午前中だけは充分に光が当たるように配慮したいものです。

また、確かに盆栽は日当たりのいい場所を好みますが、夏の強い西日では樹種によっては葉やけを起こしたりして見た目も悪く、果ては樹勢を弱めてしまいます。

日差しに強い松柏類も鉢が熱せられて土中の温度が上がりすぎると根が弱り、秋頃には葉がパラパラと落葉して枯れてしまいます。

夏の対策として、強い西日があたるところでは寒冷紗(カンレイシャ)やヨシズで遮光し、その下には防風ネットを張るなどして、盆栽を守ってやる必要があります。

風通しがいいこと

植物は光合成の産物として、葉から水分を蒸散して健全な発育を維持しています。

葉や枝が混みすぎていたり障害物などで風通しが悪いと、湿気や熱気がこもって生理障害を起こし、枝枯れや根腐れ、病原菌や害虫の発生源になります。

このような被害から盆栽を守るためには、鉢と鉢との間隔をあけたり、建物や壁から離すなどして新鮮な空気が盆栽の間を通り抜けるようにしてあげます。

日差しが強いからといって室内に盆栽を非難させる人がいますが、これは植物が弱る一因になります。

自然環境に順応しながら成長するのが植物ですから、急に室内に入れたりすると急激な環境の変化で生理機能のバランスが崩れ、衰弱が著しくなります。

強すぎる西日や風の時は、人工的な防護策を取る必要がありますが、盆栽はできるだけ自然条件のもとで管理するのがいいのです。

便利なこと

盆栽は、鑑賞の楽しみはもちろんですが培養の楽しみが大きいです。

毎日見回って灌水しながら、形を直したり、雑草を取ったり、植物の生長を見守るのが楽しいのです。

1つ1つをよく観察することで、施肥切れや病害虫の発生にいち早く気付くことができます。

そのためにも、盆栽を管理するのには手近な場所で目がよく届き、日当たりの調整が簡単で、灌水もしやすく、並べた盆栽が全体の美観を高めてくれるような場所であるべきだと考えます。

盆栽置き場のポイント

  1. 常に目が届き、灌水や施肥、消毒、剪定などの管理がしやすい。
  2. 午前中に充分日が当たる。
  3. 日当たりや風通しがいい。
  4. 玄関脇や庭先、ベランダ、屋上など美観を損ねない。
  5. 日当たりが管理できる(寒冷紗やヨシズなどで日よけができる)。
  6. 盗難や犬猫に荒らされるなどの被害の少ないところ。

盆栽棚

盆栽棚

日頃の盆栽の鑑賞や管理には盆栽棚が必要になります。

盆栽棚を使わずに、盆栽を地面に置いてしまうと雨水の跳ね返りで鉢や葉が汚れたり、病気や害虫の被害の元になります。

またずっとそのままにしていると、鉢穴から根が伸びて樹勢を無駄につけてしまい、樹形を乱すことにもなりますし、鑑賞するときに見下ろす形になるので、盆栽の状態を正しく把握できなくなります。

盆栽棚に盆栽を乗せて管理することで、観察や日頃の世話がしやすくなり、日当たりや風通しの条件も改善されます。

盆栽棚の形状はいろいろありますが、通常は長方形の台に盆栽を並べて使うのが一般的です。

細長い盆栽棚を設置するときには、日照時間を確保するために南北方向に長く作るようにしましょう。

盆栽棚の配置

盆栽棚の高さ

盆栽棚の高さは日頃の世話などの管理をするのに都合がよく、かつ鑑賞しやすい高さであることがベストです。

盆栽の樹高からだいたい3倍くらいの距離に離れ、樹高の中心が目の高さにくるくらいが理想的です。

市販の盆栽棚をみてみても、だいたい90センチ~100センチ程度の高さで作られていますが、安定の面や盆栽の上げ下ろしなど、管理の面から考えるとすこし低めにしたほうが便利かもしれません。

盆栽棚は、能率重視で用意するのが一番です。

立って作業するなら腰の高さくらいがいいですし、たくさんの盆栽を管理するならそれなりのスペースが確保できる広さのあるものを用意しましょう。

盆栽棚の材料

盆栽棚に使用される材料には木材、コンクリート、鋼材製のものがあります。

木材は比較的安価ですが、耐久性に欠けます。

コンクリート製の棚板は頑丈ですが、冬の寒さや夏の照り返しは盆栽によくありません。
コンクリートブロックなどを足場に使い、棚板には厚い栗板などを使用するといいでしょう。

栗板が入手できない時は、ほかの木材に防腐剤を塗って代用したり、スノコを補強して利用してもいいです。

鋼材製の盆栽棚は、サビ止めをこまめに塗る必要はありますが、組み立てや分解が簡単で移動も容易です。

フラワースタンド

フラワースタンド

花や観葉植物の花台としてよく使われるもので、メーカーによって木製、鋼鉄・アルミ製やプラスチック製のものなどがあります。

プラスチック製は比較的安く手に入りますが、強度がいいのはやはり鋼鉄製・アルミ製です。

ひな壇式で組み立て・分解しやすく、全体によく日が当たり、風通しもよいです。

あまり数を置けないので、同じ物を数個横に並べて盆栽を置いてもいいでしょう。

また棚板に隙間があるので、小さい盆栽はぐらつきます。棚の上に板を敷き柵を設けるなど、接触や風による落下防止策も必要です。

組み立て式ラック

スチールラック

組み立て式のラックで、鋼鉄製、スチール製、木製などがあります。
比較的強度もあり、棚の間隔も調節できます。

高さのあるものは便利上よくないので、2~3段くらいのもので出来るだけ幅に余裕のあるものを並べて使うといいです。

あまり奥行きのあるものは目が届きにくいので、全体が見渡せるようなサイズを選んでください。

錆びにくいスチール製のものや、防サビ加工してあるのが一番いいですが、室内用のメタルラックを屋外で使うとすぐにサビついてしまいますから、防サビ剤やペンキを塗るなどの対策が必要です。

棚は格子状になっているタイプが主流なので、棚の上に板やスノコを敷いて盆栽を安定して配置出来るようにしてください。

平置きと違って棚状のものを盆栽棚として使うと、灌水の時に水が直に垂れ落ちるなどの不具合やバラつきが生じます。

さらに一番上段の日当たりや風通しだけがいい状態になってしまうので、置き場所や向き、障害物をなくすなどの対処も忘れてはいけません。

土台(レンガ、コンテナ)+板

一番簡単な簡易盆栽棚の作り方ですが、綺麗に並べれば全体が見渡せるし、灌水や消毒など日々の手入れが行き届きます。

ある程度の場所が確保できる環境なら、2段棚などではなく、土台の上に板を渡した棚に盆栽を平置きした方が全体の管理が行き届くのでお勧めです。

積み重ねたレンガやコンテナなどを土台にして上に板を張り、盆栽を並べます。
頑丈で安定するものであればいいので、丸太や鉄管を組んでもいいです。

コンテナは軽くて頑丈なので、足場としての用途の他、盆栽を移動させたい時にも便利です。

板は栗板のように堅くて丈夫なものを選び、栗板がなければスノコやベニヤを補強して使います。
板には防腐剤を塗った方が長持ちします。

イレクターⓇパイプ

イレクターパイプ

パイプとジョイントの組み合わせでいろいろな形を組ことができるDIY材料です。

鋼鉄パイプにブラック、ブラウン、アイボリー各色のプラスチックをコーティングしてあるので錆びにくく、強度もしっかりしています。

これを組み合わせて、盆栽棚の土台にしたり、夏場や冬期は寒冷紗やビニールを張れる屋根を組むなど、機能性のある自分だけの盆栽棚を作ることができます。

高さや幅もフリーサイズで組めるので、自分の培養スペースに合せて設計を楽しむことができます。

専用の接着剤を使うので、スチールラックの様に移動や引っ越しの際に分解しにくいところがあります。

盆栽棚の種類

盆栽棚には平棚ひな壇状の棚が多く使用されていますが、懸崖ものの盆栽を乗せたり美観を増すために高台が使われる場合もあります。

平棚

平台

標準盆栽棚として使われます。

棚板は30~40cmくらいで長さ2~4m、厚さ3cm以上のものを用意すれば強度や見栄えがよいです。

脚は太丸太や角材、コンクリートブロックなどを使って、その上に棚台を乗せます。

棚下にスペースを確保できるので、半陰樹や鉢上げしたばかりの盆栽を置くこともできますし、周りにビニールを張り巡らせれば、防寒用にも使用できます。

ひな壇式

ひな壇式

ひな壇式盆栽棚は2~3段にして軒下などに配置します。

部屋から眺めたい場合は北向きにして、日陰になる下段には半陰樹を置くように工夫します。

構造上、狭い面積でたくさんの盆栽を置くことができますが、風通しや日当たりなども考慮しかつ美観を損なわないように並べます。

ひな壇式の棚は、市販されている鉄製のフラワースタンドによく見られます。鉢数が少ない時や、小品盆栽の場合に代用してもOKです。

高台

高台

丸太や角材、コンクリート擬木などを支柱として土中に埋め、上に台を作って盆栽を乗せます。

高台は、培養場の変化をつけて美観を出す目的と、懸崖ものの盆栽の置台として利用する目的があります。

台の高さは1m~1.3mくらいが適当です。

高台は強風などで倒れたり、盆栽が落下する可能性がありますので、支柱の固定はもちろん盆栽を針金などで棚板に結んでいくことが必要です。

樹種別の棚場作り

盆栽の培養場は、出来るだけ自然の生育環境に近い状態で管理することが理想的です。

しかし人間の生活する環境はむしろその反対の環境である場合が多いものです。

樹種により適した生育環境が違いますので、限られた場所でも、置く場所を工夫するなどできるだけその樹にあった棚場作りをしましょう。

松柏類の棚場

葉物類の棚場

花物類の棚場

実物類の棚場

コメント

出口 洋 さん 2017年06月02日17時17分
 始めまして。
 長崎市に住んでいます。前期高齢者です。10年ほど前に娘が買ってきた紅葉の小品盆栽がきっかけでミニ盆栽にとりつかれてしまいました。5~7年前までネットなどを参考に自己流でやり始め前でした。その後仕事の都合や、夏に旅行に行った時に処理を誤りほとんどが・・50~100鉢ほどありましたが8割ほど枯れてしまいました。ミニ盆栽の鉢はオークション、ミニ盆栽のWEBなどで購入しました。結構な数になります。
 定年後時間ができるようになり、またムクムクとミニ盆栽をやろうと思う気持ちが出てきました。とりあえず紅葉の実生苗を探し8鉢ほどになり、ほかにも色々と欲しいのですが挿し木で増やそうと思っています。
 挿し木で失敗しない方法を教えていただけますか?また、近場にある植栽などで挿し木にいい木を教えてください。
 インターネットなどで苗木を購入したいのですがおすすめのWEBを教えてください。
きみ さん 2017年06月03日14時35分
出口さん
こんにちはコメントありがとうございます。
私は長崎大学出身なので、長崎大好きです。うれしいです
紅葉なら種から始められたら、いろいろな性が出て楽しいし、タダです。
ネットでの素材購入は、姿やサイズ感がつかみにくいので難しいですよね。
わたしはヤフオクなら時々買うことがあります。たまに掘り出し物あります。
紅葉でも品種により挿木や取木が難しいのもありますが挿木はなんでもチャレンジです。
失敗しないコツは、グラグラさせないこと、高温多湿にすることです。
大きな発砲ケースに用土をいれて適当に挿しておくとか、水の通る穴を底に明けた衣裳ケースに入れて明るい日陰においておくとか。
オキシベロンやメネデールもよく使います。

東京都世田谷区在住の盆栽趣味者。
自宅ルーフバルコニーで小さい盆栽や草を弄っています。
初代愛猫『アロ』は天国へ行ってしまいましたが、現在は2代目ネコ2匹を迎えて盆栽ライフを楽しんでいます。

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