楢(ナラ)の魅力

更新日2018年06月09日

楢の魅力

楢(ナラ)はブナ科コナラ属の落葉広葉樹の総称。

全国の日当たりのいい山野に自生する樹で、日本の主要な楢である小楢(コナラ)やその近縁種の水楢(ミズナラ)(別名:大楢)が盆栽では一般的です。

また同じコナラ属には楢類の他に、柏(カシワ)類や樫(カシ)類、椎(シイ)類などがあり盆栽仕立てにして楽しまれています。

雌雄異花で花期は4月~5月頃。枝先に雌花、下に雄花が咲き、馴染みのある実(どんぐり)も楽しめる樹です。

芽吹きが旺盛なので剪定で小枝がたくさん増え、丈夫で育てやすい樹種です。

楢の特徴

小楢と水楢

水楢の葉

水楢の葉

盆栽で楢といえば「小楢」と「水楢」。

どちらも先端の尖った鋸歯で葉形はほとんど同じですが、小楢は葉柄が長めなのに対して水楢のものはごく短いのが特徴です。

また水楢は黄葉しますが、小楢には黄葉の他に紅葉タイプもあります。

豆盆栽では比較的コンパクトに収まる水楢を使うことが多いようです。

楢の見所

小楢の芽吹き

小楢の芽吹き

紅葉(モミジ)や楓のような鮮やかさはなくとも、里山の秋を思わせる楢の渋い黄葉(紅葉)は、秋の展示には欠かせないものの1つ。

春の芽出しも見所で、新芽は銀色の産毛をまとったように美しく、青々と葉を広げる成長期とはまた違った姿をみせてくれます。

楢は樹姿や葉だけでも充分見所のある樹ですが、実(どんぐり)を付けるのも良し。実成りのいい性と悪い性があります。

小さいものの実付きは難しいですが、太さのある古い樹や実成りのいい親木から取木などして年数の経ったものは実を付けることがあります。

楢の繁殖法

楢の実生

楢は挿木や取木、実生などで増やすことができます。

発芽率が高いので実生がお勧め。秋に種子を拾って撒いておけば翌春には発芽します。

発芽したものは網伏せをして曲付けしたり、最初に出た根と茎を元から切り戻しておくと、次に勢いの弱い芽がでて小さく仕立てることができます。

実生楢の始め方

癖付け

始めのうちに直根の整理と基本の曲付けを

実生から育てる場合は網伏せや針金で幹模様を付けることができるので、苗木のうちなら好きな姿に作ることができます。

また、根の部分が太りやすく面白い曲がつくので、これを将来の幹にしても良。

山の木らしく樹形は少々暴れやすいですが、その性質を活かした剪定や補助的な針金整枝で段々と伸びも落ち着いてきます。

ただしあまり回数を多く剪定すると次第に芽が弱ってしまうので樹勢を見ながら行いましょう。

楢の主な樹形

苗木のうちに基本の模様を付けておけば模様木や株立ち、寄せ植え、懸崖などいろいろな樹形にできます。

枝節は間延びしやすいですが、潜伏芽も多く剪定で枝を作り替えることができます。

病気・害虫

あまり病害虫の被害にあうことはないですが、管理場所が悪かったり樹勢の弱いものはすす病にかかることがあります。

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