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盆栽鉢

鉢が先か、樹が先か

盆栽の愛好家の間で、『鉢が先か樹が先か』という問いになると話が尽きないと言われます。

樹はいずれ枯れるので、鉢を集めた方がよいという人もいますし、樹作りに熱心であまり鉢には興味がないという人もいます。

どちらが正解ということはないのですが、盆栽の『盆』は鉢、『栽』は樹のことを指し、どちらがかけても盆栽とは言えません。

樹だけが主役と思われる盆栽ですが、飾りの席では鉢や卓、添配、添えの山野草にも意味があります。

よい盆栽も植えてある鉢が合っていなかったり全体の調和がとれていなければ、せっかくの盆栽の鑑賞価値は下がり、飾り手の品位さえ問われます。

盆栽鉢の条件

①通気性がいいこと

根は地上部を支え、土中の水分や養分を吸収していますが、同時に呼吸もしているため鉢の通気性が重要になります。

通気性がいいと放熱性もよく、鉢内の温度調節にもなります。

通気性のいい用土を使っていても、釉薬のかかった化粧鉢や、細かい陶土で固く焼きあげられた鉢に植えていると、鉢内の水分が抜けず根腐れなどの生育不良を起こします。

化粧鉢などは展示用として楽しみ、日頃は通気性に配慮した仕立て鉢で管理するのが理想です。

②保水性・排水性がいいこと

適度の保水性と排水性は植物の生育には必要な条件です。

これらは陶土の質や焼き方、底穴の位置や大きさなど鉢の構造、上薬(うわぐすり)として使われる釉薬(ゆうやく)のあるなしでも左右されます。

釉薬とは、焼き物の表面にかかっているつるつるしたガラス質の部分で、粘土に石灰・鉄・胴・コバルトなどの金属類などが混ざった粉末を水に溶かしたものです。

釉薬は高温で焼くことによって溶け、いろんな色を出したり水漏れを防止することができます。

一方で排水性や通気性は悪くなり、鑑賞するぶんにはいいのですがあまり木の生育によいとは言えません。

ずっと釉薬のかかった鉢に木を植えたままにしていると、次第に根が弱ってきます。

灌水や用土をうまく工夫して仕立て鉢でも元気に育てることも可能ですが、日々の管理に慣れないうちは仕立て鉢で管理する方が安心です。

③太陽熱を吸収してくれること

根の発達には鉢土の中の温度が大切です。

これを実現するためには、熱の吸収性のよい鉢を選ぶことが必要になります。

一番よいのは焼き締め鉢や素焼き鉢です。

④形・大きさが適していること

これは観賞面でいえることですが、盆栽に調和する形状の鉢を選ぶことはいうまでもありません。

形が歪んでいたり、鉢底が平らでなかったり、底穴が変なところに開いていたりしますと、通気性や排水性を損ねることになります。

深すぎる鉢は土の温度が上がりにくいですのであまりいいものとはいえませんし、不安定な鉢も倒れて枝が折れたり鉢から抜けやすくなるのでよくありません。

時々樹に対して大きすぎる鉢を使っている人がいますが、あまり大きな鉢に入れていると、いざ本鉢に入れようとした時に収まらなくなるのと、たくさんの根を整理しなければいけない分ダメージが大きいです。

太らせるつもりでなければ、本鉢に無理なく入れることが出来るサイズで管理してください。

形に関して言及すると、樹形や仕立て方により合わせる鉢は様々で、鉢の形は細かく分けようとするとそれこそ無数にあります。

模様木のクロマツなら泥物の四角鉢、箒作りのケヤキなら釉薬のかかった楕円の浅鉢といったように、その樹種や樹形に最良の鉢も絞られてきます。

盆栽鉢の形のいろいろ

盆栽鉢は形や深さ、足、装飾などいろいろ

仕立て鉢と観賞鉢

盆栽に用いられる鉢には、仕立て用の鉢と観賞用の鉢(化粧鉢や本鉢といいます)に分けられます。

仕立て鉢は種木などを培養するための鉢で、丈夫で通気性に優れたものを使用します。

観賞鉢は、文字通り観賞する時に使う鉢で、完成された盆栽や完成に近い盆栽を入れて眺めることが主な目的です。

管理が上手な人は、毎日の管理を楽しむのと、鉢に時代を付けるために日頃の管理に化粧鉢を使う人もいます。

仕立て鉢(素焼き鉢、駄温鉢など)

仕立て鉢は一般的に、普通の粘土を比較的低温で焼いた素焼き鉢駄温(だおん)鉢と言われているものがあり、国産の他ドイツ、イタリア、イギリス製の量産鉢が手頃です。

よく似たものでテラコッタというのがありますが、元はイタリア発祥の比較的低温で焼成された鉢です。素焼き鉢と似たようなものですが、盆栽に使うにはやや強度が欠けるところがあるようです。

仕立て鉢は培養が目的ですので条件が満たされればあり合わせの木箱や、ザル、発砲ケースなどでも構いませんが、きちんと備えていたほうが培養に困りません。

素焼き鉢

素焼き鉢は700~800度で焼成された仕立て用の鉢です。

焼成温度が低いため強度はさほどではなく、壊れやすく汚れがつきやすい面もありますが、通気性や排水性、保水性のバランスがよく植物の生育を良好にしてくれます。

表面が多孔質なので空気や水を通しやすく、鉢内が蒸れにくいメリットもあります。

形は写真のような深型~中深型が主で、小さいものだと1.5号サイズ(直径3センチくらい)から揃っているので小品盆栽の仕立てにも適しています。

ただ小さいサイズは規格上足がほとんどなく、鉢底が地面に接してしまうので鉢底網を固定するための針金が邪魔して不安定になったり、接した面が蒸れたり排水性が悪くなる可能性があります。

このような場合は人工芝の上に並べたり、プラスチックトレイに工夫をして鉢底と地面の間に隙間を作り、鉢底からの排水と通気をよくしてください。

朱温(しゅおん)鉢

素焼き鉢よりも高温で焼いた鉢で、硬質素焼き鉢ともいわれます。

色は素焼き鉢より濃く、表面は滑らかな印象。

釉薬の塗ってない駄温鉢のようなものです。

駄温鉢よりも粒子の細かい粘土で出来ているので、丈夫でキメが細かく保水性にも優れています。

形は素焼き鉢と同様、深型~中深型が主。

大きさは最小で1.5号サイズ(直径3センチくらい)から揃っています。

駄温(だおん)鉢

駄温鉢は約1000度の高温で硬く焼成された仕立て用の鉢で、普通は上部の縁部分に釉薬が掛けられています。

素焼き鉢よりも高温で焼いた鉢なので強度があり丈夫です。

通気性や排水性は素焼き鉢ほどではないですが、適度な保水性も備えているので昔から仕立て中の盆栽には最適とされています。

素焼き鉢や朱温鉢ほど小さいものはありませんが、3号サイズ(直径9.5センチくらい)から揃っており、形は足つきで深型から浅型まであります。

観賞鉢(化粧鉢)

盆栽鉢といえばこの観賞鉢(化粧鉢)のことを指します。

日本で初めて盆栽用の鉢が作られるようになったのは江戸時代になってからで、古伊万里焼きや尾張焼き、九谷焼きなどが注文品として作られました。

初期に活躍した銘作家が作った古鉢から、現代作家に至るまでたくさんの銘鉢が愛好家や業者の間で大切に所蔵されています。

鑑賞鉢のなかにも、釉薬を塗って焼いた釉鉢や絵付け鉢、泥物、変わり鉢などがあって、それぞれの良さがあり、似合う樹種も違ってきます。

鉢は樹を植えて月日が経過するに従って、次第に古色を帯び味が出てくるものです。

よい鉢は盆栽を引き立てるばかりではなく、1つの古美術品として観賞できるようになります。

釉鉢

緑釉隅切段足長方 16×15×6cm
伊藤屯洋作
(新版・盆栽小鉢図鑑より)

釉鉢は、釉薬をかけて焼き上げた鉢のことで一般に化粧鉢として使用されます。

釉薬の種類によってさまざまな色やデザインがあり、艶のある鉢です。色味が鮮やかなので、花物類や実物類にもよく似合います。

絵付け(染付け)鉢

五彩山水図反縁段足丸
9.5×9.5×7.2cm
佐野大助作
(新版・盆栽小鉢図鑑より)

粘土を整形し素焼きしたものに、特殊な染料で絵をつけて装飾したものを絵付け鉢といいます。

絵付けした後に釉薬で焼成する下絵付けと、釉薬をかけて焼成したあとに絵付けをする上絵付け方があります。

素焼き後の鉢の表面は荒いので細かい絵付けが難しく、現在では上絵付けがほとんどです。

細かく繊細な絵柄が書き込まれた絵付け鉢は、有名作家のものでは高価で取引されています。

また絵付けの他の装飾には、彫刻や鋲打ち・額入、胴紐などがあります。

変わり鉢

染付浮彫変わり型
8.9×6.8×7.4cm
奥村宗山作
(新版・盆栽小鉢図鑑より)

一般的な鉢の形とは違い、わざと形がゆがんでいたり、扁平であったり、鉢の表面に立体的な装飾がしてあるような変わった鉢を総称して変わり鉢といいます。

立体的な人物、カニやセミ、カエル、虫や花木などが彫ってありとても面白みがあります。

決まった形がないので、さまざまな変わり鉢があります。

陶磁器

青磁千鳥浮彫丸
7×7×3.5cm
宗像一蒼作
(新版・盆栽小鉢図鑑より)

ケイ酸塩鉱物の主成分とした粘土を1100~1300度で二度焼きしたものを陶器といいます。

釉薬を用いるので、透光性はありませんが吸水性に優れています。

また、アミノケイ酸塩を主成分とする石の粉末を1300度程の高温で焼いたものを磁器といいます。

弾くと金属音がするほど硬いので、吸水性はほとんどありません。

磁器は半透光性で美しく飾る場合にはいいのですが、硬く焼き締めてありますので通気性や排水性が比較的悪く、実用性に欠けるところがあります。

泥物

紫泥外縁丸鉢
11.3×5.5cm
渡辺壱興作
(新版・盆栽小鉢図鑑より)

鉄分などの金属成分が多く含まれた粘土を精製し、比較的低い温度(1100度前後)で半硬焼きにしたものを泥物(でいもの)といいます。

釉薬を使わないため通気性や排水性に優れていて、根の生育に適した鉢と言えます。

元は中国の発症で、原料となる粘土の違いで紫泥(しでい)朱泥(しゅでい)烏泥(うでい)黄泥白泥などがあります。

形はシンプルな長方形がほとんどですが、独特の土の色味や風合いは素晴らしいものです。松柏類や雑木類などによく合い、本鉢としても使用されています。

鉢の産地

鉢の産地は大きく分けて中国産(中国鉢)と、国内産(和鉢)があります。

中国鉢

古来、中国は陶芸の先進国であり、もともとは盆栽用でなく美術品や骨董品として日本に輸入されていました。

陶土の質もよく、形・質・気品ともに優れ、培養の面でも植物の生育に適した効果を備えているため、盆栽鉢としても大変重宝されるようになりました。

中国鉢は、日本に渡来した時期によって4区分することができます。

古渡り(こわたり)

500~200年前に渡来したもの。

風格・気品ともに高く美術品、骨董品としての評価も高く、鉢としての実用性も備えていました。

中渡り(なかわたり)

明治時代から、盆栽鉢用に注文してタタラ作りで作らせたもので機能的にも優れたものです。

当時は盆栽鉢といえば中国製のものが一級品として重宝され、盆栽界では志那鉢として現在も貴重なものです。

新渡(しんとう)

大正、昭和初期に輸入されたものです。

形がよく、使いやすい鉢が多く輸入されました。

この頃から日本製の盆栽鉢の評価も高くなり始めました。

新々渡(しんしんとう)

新渡朱泥雲足木瓜式

出典元:新渡朱泥雲足木瓜式
(間口15.5×奥行12.8×高さ5.8cm)

戦後大量に輸入されたものです。

型作りによって大量生産が可能になったことから、価格も比較的安くなり、多く出回るようになりました。

和鉢(日本鉢)

日本製の盆栽鉢は、中国鉢の影響を受けて大正~昭和にかけて盛んになりましたが、当初は形や質が悪く安物とされ、せいぜい仕立て鉢に使われる程度でした。

その後、和鉢の質も徐々に向上し古渡りを習った素晴らしいものも作られるようになりました。

戦後、中国鉢が不足したり一時的に品質が悪かったこともあって和鉢の需要が高まり、現在でも名高い産地で盆栽鉢が生産されています。

和鉢の産地としては、常滑、信楽、瀬戸、京都で作られている鉢が多く生産されていて、三重の万古焼、岡山の備前焼、鹿児島の薩摩焼の窯などでも作られています。

初期の盆栽鉢作家は、井上良斉、植村陶翆、真葛香山、小野義真、竹本隼太、市川苔州、加藤三銀などが有名です。

戦後も各地で優秀な作家が活躍し、優れた作品が作られています。

鉢うつりを考える

鉢にはいろいろな種類があり、その中で自分の好みのものを選ぶのはとても楽しいものだと思います。

でも、太幹物はやや深めの鉢、細幹物はやや浅めの鉢というように樹形によって合う鉢の形もだいたい決まってきます。

樹を鉢の大きさも調和がとれていないと何とも異様な盆栽になってしまいますし、マツ類に絵柄ものや釉鉢はあまり一般的ではありません。

楽しむことが第一の鉢合わせですが、樹種と樹形から適した鉢の形や色などを考え、鉢と植物が一体となって見えるように組み合わせて植えるようにしましょう。

樹種による鉢の選び方

松柏類に合わせる鉢

松柏類の力強さや葉性を引き立てるには、朱泥や紫泥などの泥物がよく、見た目も映えます。

泥物は通気、排水、熱の吸収性など機能的にも優れていて、樹の生育にも適しています。

花物、実物、葉物類に合わせる鉢

釉薬のかかった物が似合います。

紅葉や果実を楽しむものは青系統の鉢がよく、葉の緑を楽しむものは白や黄系統の鉢がいいようです。

花物は花と鉢の色が補色になるようにして選ぶと花が引き立ちます。

また、実物はやや深めの鉢を選んで、結実したときの調和を想像してください。

樹形による鉢の選び方

直幹、双幹、双樹に合う鉢の形

幹模様がしっかりしていて、枝振りもよく作られているものは、やや深みのある長方鉢や楕円鉢を使うとバランスが取りやすいです。

ケヤキやカエデ、スギなどの根が浅い雑木類などは浅い鉢に植えて根張りを見せると更によいです。

斜幹、模様木に合う鉢の形

長方鉢や楕円鉢がよく合います。

どっしりした模様木ならば深めの強い鉢を使って樹とのバランスを取ります。

華奢な雰囲気の文人作りなど、幹模様によっては浅い丸鉢が適しています。

文人木に合う鉢の形

枝数が少なく華奢な作りの文人木には軽い印象の丸鉢や正方鉢が似合います。

盃型の鉢や、凝った作りの脚などデザイン性の高い鉢を合わせても良く、洒落た雰囲気になります。

樹の流れをみて、どちらかに寄せるなどして空間を取ってください。

寄植え、根連なりに合う鉢の形

浅く長めの長方鉢、楕円鉢が似合います。

流れのある寄せ植えならどちらかに寄せて余白を作ります。

懸崖、半懸崖に合う鉢の形

深めの正方鉢や丸鉢が適します。

蔓性の植物を植える場合は、長い蔓や実が垂れるので高さのある下方鉢を使います。

石付きに合う鉢の形

石付きの盆栽には鉢ではなく天然石を使います。

どんな石でもよいのですが、荒れた山や崖を思わせるような起伏や変化があり、面白みのあるものが好まれます。

河原にあるようなツルツルした石は良くなく、いい石は高値で取引されることもあります。

低価格で加工がしやすい軽石を使うこともありますが、形が崩れやすいので本格的な盆栽には不向きです。

盆栽に向く代表的な石は、立ち石が多い龍眼石(りゅうがんせき)や、平石が多い鞍馬石(くらまいし)などがあります。

飾り方は地板や浅い水盤に砂を敷いて石付き盆栽を置き、観賞するのが基本となります。

鉢じゃなくてもいい?

盆栽鉢について基本的なことをこれまで紹介しましたが、必ずしも盆栽鉢を使わなければならないことはありません。

茶碗やそばちょこなどの底に穴を空ければ盆栽用の鉢でなくてもいろいろな色形の盆栽を楽しむことができます。

通気性や風通しは悪くなりますが、培養場所や灌水を工夫することで長く持ち込むことも可能です。

最近は小品盆栽も人気を集めていて、自分のセンスと自由な発想で鉢選びを楽しむ人が増えています。

長い歳月をかけて仕上げる大物盆栽よりも、比較的短い期間で自分好みの樹形に持ち込むことができることや持ち運びが容易で、場所も取らない小さな盆栽は、現代の生活環境や住宅事情にも合っているのかもしれません。

盆栽鉢の手入れ

盆栽の世界では鉢が重要な役割を果たしていて、樹形を引き立てるために様々な形や色が工夫されて来ました。

樹種や樹形で鉢映りを考えながら鉢合わせをすることは、盆栽の楽しみの1つであり、「飾りは鉢で魅せる」と言われるくらいです。

新しいものが長宝される傾向にある近年の日本文化の中で、盆栽は樹の古さを魅せるものですから、それをいれる器が真新しいのは不自然です。

古く使い込まれた盆栽鉢や卓、地板などは骨董価値があり、とても高価で大切に扱われるものなのです。

ただしただ長く持っていればいいという訳ではなく、手入れをしないとカルキが硬くこびりついてただの汚れた鉢になってしまいます。

樹の世話だけでなく、鉢もこまめに手入れして良い鉢に育てましょう。

すぐ使わない鉢は野外にさらしておく

盆栽は古木の感じを大事の1つとしているものなので、それに合わせる鉢が新品だと調和が取れません。鉢も樹と同じで古さが大切です。

購入した鉢をすぐに使わない場合、特に未使用に近いものはしまっておかずに野外に並べておきましょう。

しばらく雨風にさらすことで次第に風化して鉢に時代がつき、樹を入れた時に馴染んでくれます。

衝撃や落下などで割れないように重ねて置かず篭に平置きして、鉢底を上に向けて並べると良いです。

ただし木箱に入っているようなすでに骨董価値のある鉢は野外にさらす必要はありません。高価なものなので、大切に保管・使用してください。

鉢に草木を入れる

野外にさらすだけよりも、実際に草木を入れておくほうが鉢に年季がつきます。

入れる植物はなんでもいいですが、松類の松ヤニや柿の柿渋が鉢に染みていい古さが出るといわれています。

黒松の実生苗をいれておくのも良いですし、入れる木がなければ適当な草や用土をいれておくだけでも全然違います。

用土だけでも他の鉢と一緒に寄せておけば、そのうち何かの草が飛び込んで鉢の時代付けに一役かってくれます。

鉢を磨く

量産鉢でも気に入ったものを上手に使い込めば次第に古色を帯びて驚くほどよい鉢になります。

愛培家の中には、仕立て鉢でも毎日の様に水で湿らせた布で拭いて綺麗にしておられる方もいて、やはりそのような方は樹の手入れも行き届いています。

鉢は日頃の手入れが大きな差を付けます。

毎日の灌水でどうしてもカルキのミネラル分(カルシウムやナトリウム)や肥料の成分が鉢に白くこびりついていきますが、小まめに濡れ布で鉢を拭くだけでも汚れにくくなります。

なかなかとれないしつこい汚れ成分は、適当に薄めた酢やクエン酸を含ませた布で拭き取るか、数時間浸漬してたわしでこすると取れやすくなります。

ただしそのままでは植物の生育に悪影響を与える可能性があるので、クエン酸などを使った場合は数日水に漬けて酸を抜いてください。

少々の汚れならサビトールやクリーンメイトなどの弾性クリーナーもお勧めです。

サビトール

サビトール

弾性の研磨剤で、消しゴムのようにサビなどの汚れ部分をこすって汚れを落とします。

おもに錆落としとして木工用や台所、自転車などに使用されていて、盆栽鉢の軽度のカルキ汚れや樹液落としとしても長宝します。

荒目、中目、細目と目の細かさで3種類あり、盆栽鉢用には中目くらいが適当です。

そのままでもいいですが、水や植物性油を付けてから使うとより取れます。動物性油は植物が嫌うので必ず純正椿油などの植物性を使ってください。

砥石のように硬くないので鉢を傷付けにくいですが、絵鉢や釉鉢をあまり強くこすると削れてしまうので注意してください。

クリーンメイト

クリーンメイト

サビトールと同じような素材ですが、こちらは盆栽道具の手入れ用として販売されています。

サビや刃に付いた樹液をこすって取ることができ、盆栽鉢の汚れ取りにも使うことができます。

使う前に植物性油を少しクリーンメイトにつけてから、サビの部分をこするとより効果的です。

サイズは細長いの(縦6.5cm×横2.0cm)と、太めの(縦6.5cm×横4cm)があります。

鉢に油を塗る

椿油

定期的に鉢に油を塗り込むことも汚れ防止になり、展示前の手入れの際や、しつこい汚れを取ったあとの仕上げとして使用すると綺麗になります。

使用するのは純正の椿油がよいとされていて、ごく少量を布に付けて鉢を磨くと自然な艶がでて汚れも目立たなくなります。

動物性の油は植物が嫌うので、必ず植物性の純正油を選んでください。

椿油は整髪剤や保湿美容油としてドラッグストアなどにも置いています。

量が多すぎたり、頻繁にやりすぎると樹に悪影響がでることが考えられるので注意してください。

コメント

ルパン さん 2016年10月21日14時01分
先日は有難うございました。
今日は鉢のことでお聞きします。

水昇岩の鉢や炭化焼き締め鉢の場合、ある程度使用していると
鉢に白い粉のようなものがついてきます。
水をつけて金のブラシでこすっても
鉢が乾くと、元に戻ってしまいます。

これは鉢の特性でしょうか。
水に含まれるカルキの影響も考えられますか。
この汚れをとる方法はありますか。
きみ さん 2016年10月21日16時59分
ルパンさん
こんばんは。
鉢につく汚れはカルキや科学肥料の成分などが結晶化したものです。
金属ブラシでこすると鉢に余計は傷がついてしまうので弾性のクリーナを使うとよいですよ
カルキ汚れだけならクエン酸で簡単にとれそうですが、盆栽鉢でやったことはありません。
詳しいことは今日、本ページの最後(盆栽鉢の手入れ)に追加したので見て下さい。
宜しくお願いします<(_ _)>
ルパン さん 2016年10月22日09時18分
有難うございました。
早速注文しました。

東京都世田谷区在住の盆栽趣味者。
自宅ルーフバルコニーで小さい盆栽や草を弄っています。
初代愛猫『アロ』は天国へ行ってしまいましたが、現在は2代目ネコ2匹を迎えて盆栽ライフを楽しんでいます。

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