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葉物類の施肥

葉物類は松柏類と違って、成長期と休眠期が一目でわかりますが、施肥の要領は松柏類とほとんど同じです。

基本的には、新芽の出始める早春から梅雨前までに月1~2回、9~10月の充実期に1回施肥します。落葉したら、もう肥料は必要ありません。

ただしあまり早い時期からの施肥と与えすぎには気を付けましょう。植え替え直後の樹にたくさんの肥料を与えると根が傷む原因にもなります。

苗木や若木でしたら十分に肥料を与えて早く太らせることもありますが、完成樹に近いものでは、施肥はできるだけ少ない量から始めて、徐々に量を増やしていきます。

特に枝や葉の細やかさが鑑賞点となる雑木・葉物類では、肥料が効きすぎると葉が大きくなったり、枝が荒くなってしまいます。
1度に多量(高濃度)の肥料を施すよりも、少ない量を数多くやったほうが植物への負担が少なく、そして効果的です。

肥料は油かすの単用でも十分ですが、紅葉を美しくするために骨粉や草木灰を1~2割混ぜてリン酸とカリウムを補充してやるのもいいようです。(※詳しくは盆栽の施肥→盆栽で使う肥料へ)

また、油かすの効き目はだいたい1ヶ月くらいでなくなりますから、新しい肥料を置くときは古いものを取り除いてください。

葉物類の施肥のポイント
  1. 肥料は油かす主体に化学肥料も併用
  2. 春の新芽の動き出す前から肥料を与え始める
  3. 梅雨と夏の間は施肥はしない(暑い時期は肥料負けしてしまうので)
  4. 充実期(8月~9月)はしっかり施肥する
  5. 落葉後(11月~1月)は休眠期なので施肥しない
  6. 植え替え後2週間は施肥を控える

葉物類の施肥の実際

カエデの施肥

カエデには油かすの置き肥が一般的ですが、水肥(油かすを水に溶いて発酵させたもの)や、化学肥料などの即効性肥料も併用されています。

春の新芽が伸び始めてから6月初旬~上旬頃の入梅までに継続的な施肥(月1~2回)を施し、梅雨~夏場はいったん中止します。秋になったら再び施肥を開始し、冬越しに備えます。

カエデに限らず施肥のポイントは、いきなりたくさんの肥料や濃い肥料を与えず、できるだけ少量もしくは薄いものから徐々に多くしていくことです。

もし弱った木があった時に、いきなり多量の肥料を与えてしまうと返って樹勢を著しく低下させてしまうことになります。樹勢のついたものでも、施肥はできるだけ薄いものから始めて、徐々に元気を付けさせてあげましょう。

カエデの施肥(油かす主体、水肥・液体肥料など併用)

カエデの施肥

モミジの施肥

モミジの施肥はカエデとほとんど同じです。

春の新芽が伸び始めてから6月初旬~上旬頃の入梅までに継続的な施肥(月1~2回)を施し、梅雨~夏場はいったん中止します。秋になったら再び施肥を開始し、冬越しに備えます。

始めは少量もしくは低濃度から始めて、徐々に多くしていきます。

モミジはカエデより枝を細かく作るのがよいですから、カエデよりは施肥の量を気持ち少なくしてください。肥料はよく効いていれば徒長枝が多く出てきますので、伸び具合を見ながら量を加減していきます。

モミジの施肥(油かす主体、水肥・液体肥料など併用)

モミジの施肥

ケヤキの施肥

ケヤキは肥料をやりすぎると枝が太ってゴツゴツした印象になってしまい、せっかくの枝先の細かさが失われてしまいますから、与えすぎはよくありません。

かといって施肥をしなければ枝の充実は見込めませんので注意してください。

肥料は油かすの単用でかまいません。

春の新芽が伸び始めたら最初の肥料を施します。春の植え替えをしたものは、2週間くらいおいたあと少量の肥料から初めて徐々多くしていきます。

ケヤキは若木なら5~6月ごろが葉刈りの適期ですが、葉刈りの前に樹勢を付けさせるために、これに合わせた月2回目の施肥をします。

入梅から夏にかけてはいったん中止し、9月~10月になったら冬超えに備えて3回目の施肥をします。

ケヤキの施肥(油かす)

ケヤキの施肥

イチョウの施肥

イチョウの肥料も油かすの単用でかまいません。

春の新芽が伸び始めてから5月下旬ころまでに、2回ほど肥料を施し、梅雨~夏場はいったん中止します。秋(9月~10月)になったら再び施肥を開始し、冬越しに備えます。

イチョウもあまり肥料をやりすぎるとよくありませんから、施肥の際は薄い肥料、少量の肥料を数多く施すように心がけましょう。

イチョウの施肥(油かす)

イチョウの施肥

ブナの施肥

ブナの肥料も油かすの単用で十分です。

春の新芽が伸び始めてから6月初旬~上旬頃の入梅までに1~2回の施肥を行い、梅雨~夏場はいったん中止します。秋になったら再び施肥を開始し、冬越しに備えます。

ブナに限らず、肥料はあまり早くから与えていると勢いが付きすぎてしまいますから、特に春の施肥はできるだけ葉が開いてから開始し、葉が大きくなりすぎないようにします。

また、肥料の効きすぎは葉の変色(青黒くなります)の原因になり、葉ヤケしやすくなりますので灌水にも気を付けなければいけません。

ブナの施肥(油かす)

ブナの施肥

ヒメシャラの施肥

ヒメシャラは肥料を控えめにした方が間延びしない締まった枝を作ることができます。

しかし枝を充実させるためには、肥料は必要不可欠です。樹が栄養不足にならないように、少量の置き肥を与えるようにしましょう。

春の新芽が伸び始めてから枝の様子をみて、4~5月から入梅までの間に1回施肥し、梅雨~夏場は中止します。10月頃になったら2回目の施肥をして冬越しのために樹勢を付けさせます。

春の施肥も多肥にならないように、少量の置き肥を与える程度にしておきます。

ヒメシャラは肥料が多すぎると紅葉が綺麗になりませんから、特に秋肥はできるだけ少量を心がけてください。

ヒメシャラの施肥(油かす)

ヒメシャラの施肥

ソロの施肥

ソロの肥料も油かすの単用で十分です。

ソロの場合も枝を勢いよく伸ばすとよくありませんので、肥料の与えすぎには注意します。

春の新芽が2~3mmに伸び始めてから、6月初旬~上旬頃の入梅までに2回の施肥が目安です。梅雨~夏場はいったん中止します。9月頃になったら再び施肥を開始し、冬越しに備えます。

ソロの施肥(油かす)

ソロの施肥

ギョリュウの施肥

ギョリュウの肥料は油かすに骨粉を1~2割混ぜたものを使います。

水と肥料をとても好む樹種で、肥料が切れると下枝から枯れてくることがありますから、肥料をあまり必要としない休眠期を除いては、肥料切れのないようにしましょう。

ただし春の植え替えをしたものは、あまり早い時期から始めると根を傷めてしまいますから、2週間ほどおいてから薄い液肥を始めるようにします。

春の新芽が伸び始めてから6月初旬~上旬頃の入梅までに継続的な施肥(毎月2~3回)を施し、梅雨はいったん中止します。梅雨明けから再び施肥を開始し、秋まで冬越しに備えた施肥をします。

油かすの水肥を撒く場合も、通常の2倍くらい濃いものを使っても肥料負けすることがありません。継続的な施肥をする場合は、油かすと水肥を併用するといいでしょう。

ギョリュウの施肥(油かすに骨粉1~2割、水肥)

ギョリュウの施肥

ハゼの施肥

ハゼの肥料も油かすで十分です。

ハゼは肥料を好みますから、春の新芽が伸び始めてから8月頃までに月1~2回のペースで施肥をします。

ハゼのように毎月定期的な施肥を行う場合は、置き肥と液肥を併用します。

梅雨時期はいったん中止し、秋になったら1~2回施肥します。

ハゼの施肥(油かす)

ハゼの施肥

クワの施肥

クワの肥料も油かすの単用で十分です。

クワも比較的肥料を好む樹種で、肥料が切れると早く落葉してしまいますから注意してください。

春の新芽が伸び始めてから6月初旬~上旬頃の入梅までに2~3回施肥し、梅雨はいったん中止するか薄い肥料だけにします。秋になったら再び施肥を開始し、冬越しに備えます。

雑木類、葉物類は落葉後は肥料は必要ありません。

クワの施肥(油かす)

クワの施肥

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