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黒松(クロマツ)の冬の手入れ

黒松は松柏類の中でも特に寒さには強い樹種ですから、風よけや積雪による枝折れ対策などの基本的な対策さえしておけば特に注意するところはありません。

ただし植え替えしたばかりの樹や、若木、小品サイズの樹、強い剪定や針金をかけた樹、樹勢の弱った樹、入手したばかりでまだ環境になれていない樹などは置き場所を考えて適当な保護をします(過保護にならないように)。

冬の間は剪定や古葉取り、葉すかしなどを済ませ春にむけて樹形を整えておきます。

黒松の若木の手入れ

葉すかし

黒松は樹勢が強く、若木ならなおさら枝の伸びに勢いがあるので、強めに葉すかしをして枝の力を抑えておく必要があります。

一般に葉すかしと言えば芽切り後に行う作業ですが、冬の古葉や新葉を抜いて葉量を調整する目的で葉をすかす場合も葉すかしと言われます。

基本的には古葉は全て抜き取るか元から切り取り、頂芽部分の新葉も3対ほど残して整理します。

弱い枝には葉を多めに残しますが場合によっては古葉も新葉も抜かないなど、枝の強弱によって残す葉の量を調整できるようになれば上出来です。

芽を吹かせたい場所に葉を残しておけば、その付け根部分に将来枝となる芽を持ちやすくなります。

黒松の葉すかし

黒松は勢いがあるだけに枝の節が伸びやすいので、出来るだけ元の方に芽を持たせることが大事。

葉すかしで日当たりと採光がよくなれば胴吹き芽も期待でき、これを活かして小さく作り直す事も可能です。

針金かけ

樹液の流動が少ない冬期は強い針金かけの適期でもあり、多少の無理も効くので比較的大胆な整枝が可能です。

まだ曲をつけていない幹は針金を二重にかけて曲げると癖が付きやすくなります。

やりながら幹模様を出していく場合もありますが、一度曲げ込んだ箇所は組織が痛んでいるので曲げ直しができません。

予めどのような姿を目指すのか決めてから曲げてください。

古枝は折れやすいので一度で決めず、数年かけて徐々に曲げ込むようにしましょう。

小枝の先は立ち上がりやすいので針金で伏せ、枝棚を意識しながらコンパクトに収まるように丁寧に針金をかけてください。

食い込み具合にもよりますが、半年~1年くらいはかけたままで大丈夫です。

切り戻し剪定

枝の伸びが強い若木は、芯の枝が特に徒長しがちです。

頂芽は特に枝が強く伸びてしまうので、それより低い位置の枝の部分で切り戻すことでコケ順がよくなります。

完成木でも枝芯は強くのびるので同じように剪定します。

枝を伸ばしたい、太くしたい場合は芯となる強い芽は残し、弱い側芽を欠き取って冬芽に力をつけさせます。

冬芽の調整

若木の場合はまず枝を伸ばして太らせることが先なので、枝の芯となる中心の一番強い芽は残しておきます。

周りの弱い側芽は全て欠き取り、残した冬芽の勢いをつけさせてください。

完成樹は樹姿やサイズを維持することが大事なので、強い芽は全て欠き取ってしまいます。

周りの弱い側芽も数が多いようなら2つ程に整理し、伸びる力を抑えてください。

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