実物類は常緑~半常緑の樹種があり、冬でも葉を付けているか落葉するかで耐寒性が違ってきます。
落葉する樹種は針葉樹や雑木と一緒で、体内に糖分を多く貯蔵することができるので寒さに強い性質があります。
樹の消耗を防いで冬越しに備えるために、秋が深まって果実を鑑賞したら早めに実を取り除くようにしましょう。
一般に実物類は水を好むので、冬場の水切れも注意しないといけません。
また春先から開花するものが多いですからムロだしのタイミングも重要なポイントといえます。
他の樹種と同様に、全ての盆栽を消毒殺菌するために石灰硫黄合剤等を散布して、病害虫を駆除しておきます。
薬剤散布をしなかったり不十分だと、春暖かくなったころに一緒に休眠していた病害虫の活動が一気に盛んになって駆除が追いつきません。
消毒はムロ入れ前と、寒中の1月~2月の間の2回は必ず行って下さい。
また、薬剤を散布する時に併せて幹の掃除(歯ブラシでこすったり)や苔の除去、ゴミとりなどの掃除もしましょう。掃除をすることでも病害虫の繁殖を予防することができます。
薬剤散布については防寒前の対策へ
先にも書きましたが、実物類は果実に栄養を送るため、実をそのままにしていると樹に負担がかかってしまい、冬の寒さに耐えきれないことになります。
せっかくついた実ですが、秋も深まった11月中旬~12月頃までには果実を取り除いておきましょう。
取った実は、交配が出来ている(果実の中に種が出来ている)ものなら捨てずに保存しておけば、翌年には実生を楽しむこともできます。
保存方法は、実を割って果実から種を取り出し、水洗いをして果肉を取り除いたら、乾燥剤を入れたフタ付きの瓶やポリ袋などに入れて冷蔵庫の野菜室などに保存しておきましょう。
ヒメカリン、ヒメリンゴ、ロウヤガキ、ウメモドキ、コムラサキシキブ、サンザシ、ビナンカズラ、青ツヅラフジなどいろいろ楽しめます。
冬の灌水は少なくなるといっても、実物類は水を好むものも多いですから、冬の間の水切れには注意しなければいけません、
特に冬の空気は乾燥していて結構風もあるので、水の干上がり具合は夏場とさほど変わりないと言えます。
うっかり枯らせてしまうことにならないように気をつけてください。
しかしいつまでも水が引かないものいけませんので、朝の内に灌水を済ませて夕方には水が切れている状態になるようにしてください。
寒さには強い樹種ですが、鉢が凍るのはよくないので暖地以外ではムロ入れして防寒する必要があります。
樹の消耗を防ぐため、果実の鑑賞が終わったら早めに実を取り除きます。
特に老樹や小さな盆栽、樹勢の弱って入る樹の冬の管理には注意してください。
常緑樹ですが寒さには強い樹種です。
できるだけ日中は陽の当たる場所で管理してください。
関東地方では風よけや霜よけを作るくらいでいいですが、老樹や小さな盆栽、樹勢の弱って入る樹は保護が必要です。
実ザクロは花ザクロと同じで、盆栽樹種の中でもとても寒さに弱い樹種の1つです。霜が降りることのない暖地以外では、必ずムロに入れるなどの防寒対策をしてやります。
11月下旬~12月中旬にはムロに入れ、老樹や小さい盆栽、樹勢の弱って入る樹などはとくに気をつけます。
加温する必要はないのですが、乾燥には特に注意します。
ザクロはムロだしのタイミングも重要です。遅霜に当たる心配のない3月下旬~4月頃になったら徐々に外気に馴らしていきます。棚上げは晴れた日よりも曇りや小雨の日に行うようにしましょう。
寒さにはさほど弱くないのですが、鉢が凍るくらいになってしまうと樹勢が弱り枝枯れなどを起こしてしまいます。
落葉後、2~3回朝霜に当ててからムロ入れなどの防寒保護をしてやります。
老樹や小さな盆栽、樹勢の弱って入る樹は特に注意してください。
カリンは寒さに強い樹種ですから、関東地方から南ならば特に防寒対策の必要はありません。
カリンは開花時期が早いので、ムロに入れた場合はムロだしのタイミングに気を付けてください。
ムロだしが遅れてしまうと弱い花になって結実が悪くなりますから、厳寒期を過ぎたころを見計らって外気にならし、日中は陽の当たるムロなどに置いておくといいでしょう。
ムロに入れている間も、中があまり暖かくなりすぎないように昼間は換気するなどの管理をして下さい。
ウメモドキは比較的寒さに強い樹種ですが、冬は鉢が凍らない程度の保護が必要になります。
暖地では、風の当たらないムロや日中陽のあたる場所で管理するようにします。
小さい樹は寒害を受けやすいので霜に当たらないように保護してください。
ウメモドキは水を好む樹種ですから、冬場の水切れには注意しないといけません。灌水が不十分で水切れをするとすぐに枯れてしまうので気をつけてください。
寒さには強い樹種ですが、鉢が凍るのはよくないので、暖地以外ではムロ入れして防寒する必要があります。
樹の消耗を防ぐため、果実の鑑賞が終わったら早めに実を取り除きます。
特に老樹や小さな盆栽、樹勢の弱って入る樹の冬の管理には注意してください。
ベニシタンは比較的寒さには強い樹種なので、暖地なら風よけを作るくらいで充分でしょう。
しかし冬場は鉢が凍ってはいけませんから、特に寒さの厳しい地域ではムロ入れなどの防寒対策が必要です。
乾燥にも強いので、極端に水を切らさない限り枯れることはありません。
しかし冬の乾燥は思わぬ影響を及ぼしますので注意してください。
ユスラウメは寒さに弱い樹種です。
霜に当たらないように、他のものより早めにムロ入れなどの防寒対策をしてください。
また、水切れにも弱いので灌水管理には注意して下さい。
寒さにはそれほど強くないようです。
鉢が凍らないようにムロ入れするなどの防寒対策をしっかりしてください。
そのほか-樹種別の冬越しの実際はこちら
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