キミの盆栽びより管理の基本盆栽の冬の管理 > 花物類の冬越し

花物類の冬越し

花物類のような常緑性の植物は比較的寒さに弱いものが多いですが、同じ花物類でも耐寒性の強さには差がありますから樹種によって注意が必要です。

特に花物類は冬の乾燥には弱いので、風よけや積雪による枝折れ対策を忘れないようにします。

花物類の冬越しのポイント

ムロ入れ前に薬剤を散布しておく

他の樹種と同様に、全ての盆栽を消毒殺菌するために石灰硫黄合剤等を散布して、病害虫を駆除しておきます。

薬剤散布をしなかったり不十分だと、春暖かくなったころに一緒に休眠していた病害虫の活動が一気に盛んになって駆除が追いつきません。

消毒はムロ入れ前と、寒中の1月~2月の間の2回は必ず行って下さい。

また、薬剤を散布する時に併せて幹の掃除(歯ブラシでこすったり)や苔の除去、ゴミとりなどの掃除もしましょう。掃除をすることでも病害虫の繁殖を予防することができます。

花物類-樹種別の冬越しの実際

ウメの冬越し

ウメはお正月に室内で鑑賞して楽しめる樹種の1つです。

本来なら春先に開花するものですが、正月に合せて花を観るためには、2~3回朝霜にあててからムロ入れしますが、ムロの中でも日中陽がよく当たり気温が上がる場所に置くと早く花が咲き出します。

寒さには強い樹種ですが、老樹や小さい盆栽、寒冷地では防寒対策が必要です。

冬の間も乾燥には注意し、灌水はこまめにして時には葉水もいいでしょう。

サクラの冬越し

ウメ同様に寒さには比較的強い樹種です。

寒地では防寒対策が必要になりますが、暖地ならば風よけを作るくらいでよいです。

老樹や小さい盆栽、秋に植え替えをしたもの、樹勢の弱って入るものは根が凍らないように保護します。

サツキの冬越し

寒さには比較的強い樹種で、鉢の中が凍っても枯れることはありません。

寒冷地以外ではムロに入れる必要はありませんが、冬の乾燥には弱いので風よけを作ります。

また積雪による枝折れには注意しましょう。

ボケの冬越し

寒さにはとても強い樹種です。

冬も特別な管理は必要ありませんが、老樹や小さい盆栽、秋に植え替えしたもの、樹勢の弱っている樹などはムロ入れするかムロに取り込んでおく必要があります。

ボケは比較的水切れに弱いですから、冬の間の水やりには注意しましょう。

花ザクロの冬越し

ザクロは盆栽樹種の中でも、とても寒さに弱い樹種の1つです。霜が降りることのない暖地以外では、必ずムロに入れるなどの防寒対策をしてやります。

11月下旬~12月中旬にはムロに入れ、老樹や小さい盆栽、樹勢の弱って入る樹などはとくに気をつけます。

加温する必要はないのですが、乾燥には特に注意します。

ザクロはムロだしのタイミングも重要です。遅霜に当たる心配のない3月下旬~4月頃になったら徐々に外気に馴らしていきます。棚上げは晴れた日よりも曇りや小雨の日に行うようにしましょう。

フジの冬越し

寒さには強い樹種です。

冬でもムロに入れる必要はありませんが、老樹や小さい盆栽、樹勢の弱って入る樹は風よけを作り、積雪による枝折れには気をつけます。

ツツジの冬越し

さほど寒さには弱くありませんが、冬は鉢が凍らないくらいの防寒が必要です。

寒地ではあまり強い外気や霜に当たらないうちにムロ入れした方が安全です。

老樹や小さい盆栽、秋に植え替えをした樹などの樹勢が弱って入る盆栽はとくに気をつけましょう。

カイドウの冬越し

寒さにはさほど強くないので、鉢が凍らないようにします。

12月頃にはムロ入れをしてやります。

暖地ならば風よけや雪害対策をする程度で充分です。

オウバイの冬越し

寒さにはとても強い樹種ですが、老樹や小さい盆栽、樹勢の弱い樹などは保護する必要があります。

また花が傷まないように、強い冷風や霜には当たらないようにしましょう。

コメント

この記事へのコメントはまだありません。