キミの盆栽びより管理の基本盆栽の冬の管理 > 葉物類の冬越し

葉物類の冬越し

葉物類の中でも落葉樹は、葉を落とした休眠期に入るとマイナス10℃を下回っても一部を除いて平気です。

小さな盆栽や老樹ならばムロに入れる必要がありますが、それ以外なら風よけを作るくらいで充分です。

ムロ入れが必要なものは、葉が落ちてから2~3度くらい霜に当て、天気のいい日を見計らって保護してください。

葉物類の冬越しのポイント

ムロ入れする前に薬剤を散布しておく

他の樹種と同様に、全ての盆栽を消毒殺菌するために石灰硫黄合剤等を散布して、病害虫を駆除しておきます。

薬剤散布をしなかったり不十分だと、春暖かくなったころに一緒に休眠していた病害虫の活動が一気に盛んになって駆除が追いつきません。

消毒はムロ入れ前と、寒中の1月~2月の間の2回は必ず行って下さい。

また、薬剤を散布する時は幹の掃除(歯ブラシでこすったり)や苔の除去、枯れ葉やゴミとりなどの掃除もしましょう。

掃除をすることで樹を清潔に保ち、病害虫の繁殖を予防することができます。

自然に落葉する前に葉刈りをして剪定や針金かけを

モミジやカエデ、ケヤキなどの落葉樹は、自然界では落葉したあと体内にたくさんの樹液を蓄え、越冬に備えます。

紅葉をじっくり観賞したい時や、樹勢の弱っている樹はそのまま自然落葉させて構いませんが、樹形を作る場合には自然に落葉する前の11月下旬~12月頃に全ての葉を綺麗に切り取ってしまいましょう。

このときに全体の姿が見やすくなりますので、不要な枝や今年伸びた枝を二叉になるように剪定したり、針金をかけて形を整えておきます。

自然落葉した後は全体に樹液が回って、剪定した切り口から樹液が止まらなくなり、冬に耐えきれず枯れてしまうことがありますから、自然落葉させた樹は強い剪定はできません。

落葉後は2~3回霜にあててからムロ入れをする

とくに耐寒性の弱いもの以外は、ある程度の寒さを経験することで冬越しの準備や翌年からの生長を促進させますから、早すぎるムロ入れは植物の調子を狂わせます。

秋が深まり、落葉した樹は過保護にせず、2~3回ほど霜にあててからムロ入れをしましょう。

鉢が完全に凍る状態が続かないかぎり、寒害が起きることはまずありません。

ただし小さな盆栽や老樹、樹勢の弱って入る樹などは影響が出やすいので注意しておきます。

ムロ出しは慎重に!

葉物類は特にムロだしのタイミングが難しいと言われています。

早く屋外管理に切り替えてしまうと、乾燥した外気や遅霜の被害にあいます。

特に老樹は若木よりも芽出しが遅い傾向があるので、外気温がある程度上がってから外にだしてください。

室内やムロでの管理は、特別に寒い地域を除いては3月中旬頃から徐々に外気に馴らし始めます。寒い地域では、降雪の恐れのなくなる4月頃から屋外管理に切り替えます。

最初は昼夜の温度差を少なくするために、暖かい日中は換気をして温度の上昇を抑え、夜間は放熱を防ぐために防風ネットや敷き藁、コモなどをかぶせておきます。

4月になったらフタを外して外気に馴らし、4月下旬には完全に保護を取り払って屋外での管理に戻します。

4月下旬頃から外の野草や樹木の芽が旺盛に動きだすのが分かりますから、この時期からはもう通常管理に切り替えても問題ないでしょう。

葉物類ー樹種別の冬越しの実際

カエデの冬越し

カエデは耐寒性が強い樹種ですから、冬の管理は風よけを設置するくらいで大丈夫です。ただし、小さい盆栽や老樹、樹勢の弱っている樹などはムロに入れる必要があります。

ムロ入れのタイミングは、秋が深まり落葉したら2~3回程霜にあててから天気のいい日に仕舞います。

カエデはムロだしのタイミングに特に注意が必要です。早く出し過ぎて、芽出しの時に乾燥した風や遅霜にあたらないようにしてください。

モミジの冬越し

基本的にカエデと同じですが、モミジはカエデよりも若干樹勢が弱いので注意してください。

ケヤキの冬越し

ケヤキは耐寒性が強い樹種ですから、冬の管理は風よけを設置するくらいで大丈夫です。ただし、小さい盆栽や老樹、樹勢の弱っている樹などはムロに入れる必要があります。

ムロ入れのタイミングは、秋が深まり落葉したら2~3回程霜にあててから天気のいい日に仕舞います。

ケヤキはカエデと同様に、ムロだしのタイミングに特に注意が必要です。早く出し過ぎて、芽出しの時に乾燥した風や遅霜にあたらないようにしてください。

イチョウの冬越し

イチョウは寒さに弱く、とくに関東地方ではムロ入れして保護する必要があります。

ムロ入れは2~3度霜に当ててから行いますが、寒さの厳しい時期は場合によっては毛布を被せるなどの保温(加温)が必要になります。

ギョリュウの冬越し

ギョリュウは比較的寒さに強いですが、鉢が凍らない程度に保護してください。

水を好む樹種ですから、冬場といえども水切れはよくありません。乾燥には注意し、朝与えた水が夕方には乾いてなくなるくらいにしましょう。

いつまでも湿っていると夜間に鉢が凍ってしまいます。

ソロの冬越し

ソロはあまり寒さに強くありませんから、寒地では特にムロに入れる必要があります。

ソロは水切れになるとすぐに葉が枯れてしまいます。冬の間も乾燥には注意し、土の乾き具合をよく観察して適度な灌水をしましょう。

ヒメシャラの冬越し

ヒメシャラも寒さにはあまり強くありませんので、寒地では特にムロにいれて保護する必要があります。

鉢が凍らないように灌水には気をつけましょう。

ブナの冬越し

ブナは寒さには比較的強い樹種ですが、乾燥に弱いので寒地では特にムロに入れて保護する必要があります。

ブナも水切れには弱いので灌水には注意してください。

ハゼの冬越し

ハゼは寒さに弱い樹種です。ムロにいれて保護してやります。

クワの冬越し

クワは比較的寒さには強くありませんから、2~3回霜にあてたらムロにいれて保護してやります。

ツタの冬越し

ツタは比較的寒さには強いですが、小鉢ものが多く冬の被害に遭いやすい樹種です。

特に関東地方から北はムロに入れて保護します。

コメント

この記事へのコメントはまだありません。